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THX-1138のGijoeGoのネタバレレビュー・内容・結末

THX-1138(1971年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ディレクターズカット版で鑑賞。
なので1971年当時では不可能なCGによる映像表現があった。

観客を突き放した内容だが観てると世界観がわかってくる。

管理された社会からの離脱モノ。
2300年未来への旅、マトリックスなどに代表される今まで信じてきた事や概念が崩れ去り現状からのエスケープが根底に流れている。

そこにビジュアリストであるジョージルーカスの洗練された未来社会像。
人類を薬物でコントロールし自宅まで監視して公安が至る所に存在し男女の自由恋愛もままならないデストピア。

肉体を持ったホログラムの人物や野人の様な生物、鉄道やルマンに出ていそうなマシンなどの高速な交通機関が画期的。
未来ぽいモダンな建築物や発電所、サーバールームの様なロケ地、真っ白な精神病棟のような監獄。
非常にクリーンで管理されて過ごしやすそうだが地獄の様な場所。

全員が真っ白い囚人服のような服を着て男はスキンヘッドで女性は丸坊主というのも個性を徹底的に消して不気味。

BGMも重低音を響かせる圧迫感のある現代音楽。

テンポやトーンが中盤まで静かで単調なシーンが多いので眠気を誘うがソモス3というめちゃくちゃカッコいい車で逃亡するパートはSEも含めてさすがスピード狂のルーカスと言わんばかりの映像。
アンドロイド警官の乗るバイクも渋くてカッコいい!
追跡中も本部と逃亡者を追い続けるのに幾らまで払うのかと計算するのが面白い。
ラストはコストに見合わないという理由で追跡を中止するとか洗練され過ぎで怖い。
(トライダーG7もそんな最終回だったような)

さまざまな試練を潜り抜け地上に出る所で終わるが、真っ赤な夕日が沈んでいくタイミングというバッドエンドを予感させるのがニクイ。

オープニングのレトロなヒーローモノは何を指しているのだろう。
オープニングクレジットが上から下へ降りてくるパターンなのも示唆的。
マトリックスがそんな感じなのでイメージソースかも。
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