Jimmy

39階段のJimmyのレビュー・感想・評価

39階段(1978年製作の映画)
3.8
ヒッチコック監督の『三十九夜』、ラルフ・トーマス監督の『三十九階段』に続いて、ドン・シャープ階段の『39階段』を観た。なかなかスリリングなサスペンス・アクション映画であった。(カラー作品)
この3作、続けて観ましたが、「39階段マニア」ではありません(笑)

本作『39階段』のDVDパッケージには「ヒッチコックの傑作『三十九夜』をリメイク。ドン・シャープ監督のヒッチコック・スタイルの演出とロバート・パウエルの飄々とした演技も楽しい」と書かれていて、更に「ジョン・バカンのスパイ小説「三十九階段」の三度目の映画化。1935年のヒッチコック作品が有名だが、この作品が最も原作に忠実でスリリング」とも書かれている。
原作は未読だが、この映画、ヒッチコック版ともラルフ・トーマス版とも全く異なる展開にビックリ!
同じ小説を原作としているとは思えない…。(ヒッチコック版とR・トーマス版は結構似ていた。)

…と、全く別物の『39階段』であったが、これまた、もんのすごく面白かった!
クライマックスのロンドンのビッグベン時計台を舞台にしたアクション場面は、ヒッチコック監督の『逃走迷路』での「自由の女神」上でのアクション場面や、やはりヒッチコックの『北北西に進路を取れ』の「ラシュモア山」上でのアクション場面などに匹敵するようなスリリングなものだった。ハラハラ、ドキドキ!!

物語は、ロンドンに休暇に来ていたハネイ(ロバート・パウエル)は、命を狙われているスカダーという男を匿う。このスカダーという男は「平和が脅かされている。ある権力者が殺されると戦争が起こる」と話す。ある権力者の暗殺により、世界大戦が勃発するようなスリルがある。
しかし、このスカダーという男は何者かに殺されてしまう。
鍵を握る“39階段”の意味とは?
なぜ暗殺によって、世界大戦が始まってしまうのか?……ということを気にしながら、悪人らしき男達から殺されそうになってハネイは逃げるが、ハネイが殺されないか?…を気にしながら観ていると、ハネイは通りがかりの人を刺殺したように誤解されて警察に逮捕されたりする。凄い展開である。ヒッチコック版とは全然違う。

確かに、ヒッチコック版やラルフ・トーマス版では“39階段”の明確な意味は描かれなかったが、本作では明快に提示している。

これらの「39階段」の映画化された3本とも、それぞれ違った面白さがあり、全部、自信を持ってお勧めできる傑作映画である。
Jimmy

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