爆裂BOX

DAWN OF THE LIVING DEAD ドーン オブ ザ リビング デッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.0
ネットで一件の家を購入したジェフリーと恋人のルネ。人里離れたメキシコに近いその家は、前住人の一家が何者かに惨殺された過去のある家だった…というストーリー。
デヴィッド・ヘフナーが監督・出演したゾンビホラーです。
ルネはその家で不可思議な現象や、一家が殺された幻覚を見始めるルネ。じしかしジェフリーはそんな彼女の言う事を信じない。だが、遂に殺された一家がゾンビになって現れる、というストーリーです。
臆面もなく「ドーン・オブ・ザ・デッド」をパクった便乗タイトルですが、邦題だけかと思ったら原題もそのままという…
ネットで購入した一軒家に越してきたカップルがそこで過去に殺されてゾンビになった一家の地縛霊に襲われるという話ですが、まず2004年制作とは思えない粗い粒子のフィルムと青暗い画面全体に漂う古臭い雰囲気など80年代のクズホラー見てるような気分になってきます。舞台も一軒家と周辺だけという低予算具合もそれに拍車かけてますね。
前半はルネが幻覚で一家が殺される場面見たり、幽霊っぽく殺された少女達が現れたりとゾンビ物というよりオカルトホラーの雰囲気で進んでいきます。それだけでは尺が持たないからか、本編と全然関係ない麻薬の売人とその恋人と彼らに連れてこられた不法移民二人がゾンビに襲われたり、その恋人がいきなりストリップ始めたりします。
ただ、ゾンビの登場シーンは前半少なくて、ルネが精神的に不安定になって恋人と喧嘩したり、監督が演じてる風車建設作業してるマイケルと仲良くなって、風呂入りながらベッドシーンの幻覚見てたと思ったら幻覚じゃなく実際に寝てたりといったシーンがダラダラと流れて行きます。
本作のゾンビは、マヤ人は死んだ後3日は死んだことに気付かずこの世を彷徨い、しっかり儀式をして御馳走用意しないと空腹から怒って人を襲って食べてしまうという設定でゾンビになります。この辺のマヤ文明の伝説などの設定はやけにしっかり仔細に語られます。ゾンビメイクは顔だけですが、ちょっと「死霊のはらわた」っぽい悪魔風なメイクでいい感じですね。お食事シーンでは内臓引っ張り出したり首引きちぎったり、皮膚食い破ったりと安っぽいながら特殊メイクでゴア描写見せてくれます。ゾンビの一人が妊婦で、終盤で家族が身体押さえつけて出産シーンあるのはちょっと笑っちゃいました(笑)最後に登場するゾンビベイビーの造形はかなり気持ち悪くて良かったですね。
ルネの婚約者役でジョー・エスデヴェスが出演してます。ヒロインもスタイルいい美人でした。
婚約者がゾンビに襲われる後半からはマイケルとルネがゾンビ達に襲われて小屋に籠城したり、ゾンビ登場の因縁が語られたりと盛り上がっては来たかな。ある意味呪術的なゾンビだからか、最後の解決も呪術的な物でしたね。
儀式をしてアッサリ解決したかと思ったら、そこから一家を殺した犯人が明らかになりますが、予想通りの人が犯人でしたね。登場人物少ないからこの人しかいないだろうなと思ってたし。その後のゾンビベイビーと犯人の格闘は一人芝居丸出しで、デヴィッド・ヘフナーが熱演すればするほど笑えてきました(笑)
あのゾンビベイビーは消滅したみたいな感じだったけど、最後のオチ見る限りこの世にとどまって人喰って成長していくのかな。ルネが幼い娘を亡くしたトラウマと悲しみを引きずってる設定がこのオチで活かされてはいたかな。
Z級クズホラーであることは間違いないので、オススメはしませんが、個人的には80年代のクズホラーの雰囲気があって何だか懐かしい気分で見れました(笑)