rico

ジプシーのときのricoのレビュー・感想・評価

ジプシーのとき(1989年製作の映画)
4.0
「人生とは、蜃気楼のようなもんだ。」

アンダーグラウンドの次にいいです。
十数年前に映画館で見逃して以来、観れただけでも感涙ものです、、、
___________

追記、京都みなみ会館 2/19

私の中で、これは「アリゾナ・ドリーム」と同じような少年から大人への通過儀礼映画だと思っていて、幻想的な映像表現もこの時期ならではのクストリッツァらしくてとてもいい。

序盤のスラップスティックから、後半の幻想的でしかしシリアスな話の展開の振り幅がすごい。
改めて見てみると、わけわからんわーと思うようなシーンが頻発してるんだけど、話の本筋はきちんとあるからそこまで破綻してるように見えないし、むしろとっ散らかってるように見えてきちんとまとめてくる所がすごい。

この映画の女性の空中浮遊をみると、タルコフスキーの「ノスタルジア」を思い出す。というか、空中浮遊はタルコフスキーのイメージだけども、あまりの作風の違いに、あまり気にしてなかったのだけども、アリゾナ・ドリームのパンフを見た所クストリッツァがインタビューでタルコフスキーにシンパシー受けてる感じの発言してるので、やっぱりこれもそうなんだろう。

あ、あとクストリッツァの映画といえば「首吊り自殺」。近作にはなくなった気がするが、昔は毎回「いつ首吊り自殺するか?」と「どう失敗するか?」を楽しみにしていました。もちろん今回も洒落た失敗の仕方していますよん
rico

rico