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もののけ姫のtora3843のレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.5
この物語の中から汲み取れる事として、現代における固定概念や人の欲の恐ろしさや自然との付き合い方などがあると思った。現代の固定概念という点ではタタラバの強く生きる女性は現代では見られることはなく作品を何回も見ても新鮮さを感じるものとなっており面白く感じた。

また人の欲としてはエボシがシシガミ狩りに行っている時にタタラバを侍達が襲った際、タタラバにはすぐ戻らずシシガミを狩る事を優先したというところや、森を切り開いてタタラバをより大きくする事を大事にしている点などが見られ、そのことは後に自分たちの生活を苦しめる結果となっており、ひとの欲の愚かさを感じさせる事となっていた。

最後に自然との付き合い方という点ではシシガミが首を切られ暴走するというところでは一線を超えてしまった人の行為のように感じた。この事は現実世界でも見られ、人の生活によって地球温暖化や森の開発によって起こる土砂災害などがあげられる事であると思った。しかしこれらの事は人の一線を越した行為かは定かではなく、実際に一線を越さない限りその事はわからないと言うことが自然の怖さであり、人がどのように自然とうまく付き合っていくのかという現代における問題提起であると思った。
また、作品最後に自然が新しい形で復活しているということをみると、人が壊した自然もいつかは復活できるということが考えられると同時に、それは同じものではなくあくまで新しいものであり、一度壊れたものは同じ形では戻らないと言うことを頭に入れておく必要があると思った。
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