すあまさえ

もののけ姫のすあまさえのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.6

狼にも人間にもなれなかった娘、サン。
その苦しみは誰にもわからないはずだ。

黙れ小僧、お前にサンが救えるか。

モロはアシタカに厳しく問う。
アシタカは何も答えない。

言葉の力が弱まっている。
本当の漆黒、暗闇が世界から消えている。
それは、人間にとって、恐ろしい事だと思う。

アシタカは無闇に言葉を使わない。
ただ問い続ける。考え続ける。

森もタタラ場もともに生きる方法はないのか。

エボシもサンも、村の女たちも、この映画に出てくる女性は皆強い。

生きてりゃどうにかなるさ。

ドロドロから逃げる時、住んでいた家が崩れて、男は弱音を吐く。
女性として生まれ、売り飛ばされそうな所をエボシに助けてもらった女たちの方が、よっぽど、生きる覚悟も死ぬ覚悟も出来ている。
返りみる物がないからだろう。
一から自分を生み出せる事を知っているからだろう。

誇り高い。
この映画に出てくる者は、皆、誇り高い人間だ。
それぞれの人生を全うしている。
動物もそうだ。

画面を観る目に自然と力が入る。
すあまさえ

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