Toineの感想文

H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪のToineの感想文のレビュー・感想・評価

3.7
【中二病とB級映画の相性の良さは計り知れない】
低予算映画の帝王ロジャー・コーマン監督がラヴクラフト先生のクトゥルフ神話をプロデュース(製作総指揮)。
これは良作の予感。
観るしか選択肢はございませんでした♡

看護師さん役の女優さんが映画「ロッキー」のエイドリアンさんに激似だなあと思いながら観ていたら何とご本人様だった。
嬉しい。
タリアさんの絶叫演技お上手でした。
凄く綺麗なお声だと思うのです。

んで、評判の良い図書館での攻防シーン。
ちゃんと舞台セットを盛大に壊してて笑ったw
最終的に何故か自ら矢に刺さりに行く警備員さんに爆笑😂
あっけなく警備失敗。無念。
意味分かんなくて最高に良かったです。

肝心の化け物のビジュが原作と違うというか結構なショボさだったのは予算という大人の事情とCG技術の無い時代背景を鑑みて、かつコーマン監督の名に免じて飲み込みました。
しかし見せ場での色彩反転&画面チカチカ演出はめちゃめちゃ好きでした。
アイディアで優勝してた。

突如始まった終盤の呪文合戦も死ぬほど面白かったです。
謎言語の呪文なのでどういう意味なのか分からないから視聴者置いてけぼり状態でおじ2人して怒鳴り合ってドヤ顔とかしてたカットで吹いたww
「ケジマ!」「ヤダモン!」等のかなりゆるふわな呪文をおじ達が真面目に言い合っているのを聞いていて力が抜けました。
しかもおじ達の目の前で寝かされたヒロインのお股にさり気なく聖典置いてたのがまた笑いを誘うw

ひとしきり笑ってからのラストカットが不幸の始まりというちゃんとしたオチだったのでゾッとさせて頂きましたわ。
これぞ血の轍。
全体的に突っ込みどころがたくさんあるのでコーマン監督作品がお好きな方やレトロなB級映画がお好きな方ならばきっとハマると思います。
良作!