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フランコ・ネロの 新・脱獄の用心棒のHKのレビュー・感想・評価

3.0
マカロニですから例によって邦題はあてになりません。
『脱獄の用心棒』とはスタッフもキャストも無関係のようです。
ちなみに『脱獄の~』と本作の間に『続・脱獄~』があるのか探しましたが見あたりません。
配給会社が同じで“脱獄”要素があるから勝手につけた邦題でしょうが、前にも書いたように主人公が脱獄するマカロニ・ウェスタンはたくさんあるんですけどね。

本作の見どころは何と言ってもフランコ・ネロ(『続・荒野の用心棒』)とイーライ・ウォラック(『続・夕陽のガンマン』)の共演・・・というか、ほぼそこだけです。
ドウッチョ・テッサリ監督(『夕陽の用心棒』『続・荒野の1ドル銀貨』『荒野の大活劇』)なんでもう少し面白いかと思ったんですが・・・

原題は、“Vila La Muerte Tua” “Long Live Your Death”(お前の死に万歳)。
でも英題は“ Don't Turn the Other Cheek!”(もう片方のお尻を出さないで!)。
英題の方はタイトルにDeath(死)は縁起が悪いからとウォラックが考えたものだとか。
お尻の意味は映画を観るとわかります。

マカロニ後期のコメディ路線の作品ですがどうもギャグが中途半端。
メキシコ革命を舞台に、脱獄した盗人(ウォラック)が革命の英雄になるというプロットはレオーネの大傑作『夕陽のギャングたち』に似ていますが遠く及ばず。

ネロは『豹/ジャガー』『ガンマン大連合』のキャラをもっと軽くしたような胡散臭いロシア人牧師(偽)の役。
ウォラックは『続・夕陽~』のトゥーコの廉価版みたいな盗人。
ジャーナリストで怪力のリン・レッドグレイブ(バネッサの妹)も参戦して凸凹3人組を狙ったんでしょうが、いまひとつパッとしません。
音楽はジャンニ・フェッリオ(『荒野の1ドル銀貨』『荒野の大活劇』『ビッグ・ガン』)でこれは楽しくてイイ感じでした。
HK

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