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ウディ・アレンの愛と死のmasayaanのレビュー・感想・評価

ウディ・アレンの愛と死(1975年製作の映画)
3.5
ウディ・アレンのヨーロッパに対する視線というものは、やはりコンプレックスなのだろうか? このくせ者作家の最高傑作のひとつに数えられている『愛と死』は、フランスには敵わないが、せめてロシアくらいは馬鹿にしてやろうという彼の捻くれ根性なのだろうか? イギリス人が勝手に付けた「ニュー・ヨーク」という名が残る町にユダヤ人として生きる身として?

フョードル・ドストエフスキー、レフ・トルストイといったロシア文学の巨匠のネタが散りばめられ・・・という類の解説にわたくしは適任でないけれども、ふつうのコメディ映画としても面白く(昔ちょっとだけ流行った『The World of GOLDEN EGGS』というコメディ・アニメの大きな元ネタでもあります)、その身振り手振りで笑ってもいいし、戦場でホットドックを売り歩いているおじさんに笑ってもいい。

・・・のだけれど、やっぱり、それって動物だよなあという気がしないでもない。やはり元ネタと引っ掛けて笑いたい。そこそこ読んだドストエフスキーはともかく、『アンナ・カレーニナ』くらいしか読んでいないトルストイに関してはここでの重要な元ネタらしいので、「ロシア文学くらい教養として読まなくちゃ!」と素直に思えたころにせめて『戦争と平和』は読んでおくのだった。4つ星つけたいところですがそんな自分に反省しながらマイナス0.5点で。
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