佐藤克巳

海の野郎どもの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

海の野郎ども(1957年製作の映画)
3.5
石原裕次郎主演だが、井上梅次「鷲と鷹」と全く異にした海洋アクション映画の佳作ではあるが、脚本監督の新藤兼人はプロレタリア革命に傾倒した作品に転化していて後味が悪い。一隻の外国船に屯する人間には、当時不足した鉄を補う屑鉄輸入に関わる船人夫を中心に、密輸闇取引、売春、掃除婦に至る雑多な日本人と、アメリカ船長及び高級船員、対立するアラブ人・中国人等有色人種水夫がいた。植民地独立機運高まる中、船内ストライキに裕次郎が同調する中盤から食傷気味となる。
佐藤克巳

佐藤克巳