【中山美穂は2連敗】
私の住んでいる都市ではそろそろ上映が終わるので、ここでの評価も低いけれど、あまり期待しないで見に行きました。中山美穂は嫌いじゃないんですが、前回の『サヨナライツカ』があまりにひどかったので、リベンジを期待する気持ちも多少はありました。
途中までは、まあまあかなと思いながら見ていました。別にたいした映画じゃないけれど、浅い進行でずっと続けるならそれはそれで、という感じ。だけど、二人がそれまでの人生を話すシーンになって「こりゃ、ダメだ」と痛感しましたね。
まず二人の話の内容がだらだらと続いて退屈しちゃう。また、一見すると気楽に暮らしている二人の過去はそれなりに陰影に富んでいると言いたいらしいけれど、それなら現在の彼らの生き方にそれが反映しているべきで、そうじゃない以上、話の中身は単なるその場限りの脚本家の気まぐれみたいに見えてくる。
それから、二人はそれなりに年齢差があるわけで(実年齢で12歳)、そのこと自体は別に構いませんが、それが二人の関係にちゃんと影響を与えるような筋書きにすべきだと思うんだけど、なぜかそうなっていない。年齢差から来るためらいが或る時点で反転し、逆に羞恥心をかなぐり捨ててあられもない関係になってしまう、といった筋書きなら面白くなるんじゃないかと。『サヨナライツカ』みたいにヌードになれって意味じゃないんですよ。ヌードにならずとも情熱は表現できるんだから。
他方、桐谷美玲ちゃん演じる向井理くんの妹の物語も冴えません。だいたい、時間が足りていない。向井理+中山美穂のシーンを少し削ってでもこちらにもう少し時間を割くべきだと思う。また、ここでは描写の浅さがいっそうひどく、最後のシーンが唐突にしか見えない。何がどうしてどうなって、というのが分からない。脚本のお粗末さが露呈している。雰囲気だけで映画を作ってはいけませんね。
結論として、制作側の力量不足がはっきり出ている映画、と言うしかありません。