Bobsan

2000人の狂人/マニアック2000のBobsanのレビュー・感想・評価

5.0
イーライ・ロスは本作のリメイク版のプロデュースをしましたが、彼の弁によればアメリカ南部の(多分一部の)人達は南北戦争に負けた事を今だに根に持っていて、奴隷制度が廃止された事も気に入らなくて、毎日怒り狂っているそうです。
本作はその南部の人々の怒りと狂気をおどろおどろしくなく、明るく陽気に描きだしました。明るく陽気にと言ってもそれが逆に異様な恐ろしさと不気味さを醸し出して効果的ですね。ハーシェル・ゴードン・ルイスはスプラッタ映画の始祖ですが、ここではスプラッタ描写は極力控えめにして、カラッとしたサラッとした作りを徹底しました。
矢鱈とハイテンションで大きな声で喋り、何かにつけて大声で笑う住民の姿は、明るく元気などとはほど遠い、観ている人間の神経を逆撫でする様な気持ち悪さを抱かせます。特に市長のあの遜大な態度は某ト○ンプ氏を思い起こしてしまいます。
カントリー・ウェスタンな音楽のミスマッチにも胸をざわつかせられて効果抜群ですね。
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