ドント

SF異星獣ガーのドントのレビュー・感想・評価

SF異星獣ガー(1985年製作の映画)
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 1985年。星から回収された石の中にあった機械水晶。その知能は宇宙船の乗組員を全滅させ、船はステーションへと運ばれる。さらに水晶から生まれた異生物「ガー」の触手が、クルーを一人また一人と襲うのだった! が!!
 あの有名な閉鎖空間SF異生物サスペンスかと思っていると後半、意外も意外なる展開を見せる謎映画。宇宙ステーションにて典型的な会社役員や女科学者、軍人が出てきてオッこいつらが主役かと思い、宇宙船をトカトン直している技術者2人がいかにも序盤で死にそうな顔だなと思っているとそれをトリャーッとひっくり返してくるので大変驚く。
 前述の有名作に安直に乗っかった作品と言えばまぁそうなのだけど、特撮もグロもまずまずきちんとやっているし、ガー君のネロネロしつつ知性も感じるデザインもそこそこにいけていて、何より異生物サスペンスとして怪物をやっつけて男と女はキスをしてハッピーエンド、ってなもんで終わらないのである。ここがちょっとこう、偉い。
 後半というかラスト20分で急に作品のトーンが変わり、85年という時代を考えると先進的でかつ心があったけぇ流れになっていくのがステキだと思った。むしろ混迷の今だからこそ観てほしい映画にすらなっている(これは褒め過ぎである)。駆け足な幕切れの直後に怒濤のように流れ来る激エモEDソングに笑ってしまった。
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