ミヒャエル・ハネケ監督作品を観ようと3本レンタルした。今日はその1本目。しかしこの映画を観終わって思った。これは困ったことになったと。次に控えているのがあのカフカの「城」なのだ。この小説はまさに不条理を描いた作品。私にとっては不条理の「本山」みたいなものなのだ。レビュー書けない😅
この映画はわからないことがわかった。
何があったのか、どこの国の、いつの話か、
全くわからない。説明しないのだから、わかるはずがない。
元々人間の置かれて状況はそんなに合理的に説明できるようなものではないというのがまさに不条理だ。
そんな宙ぶらりんな状況に我々は生きているんですよと観客を落とし入れればそれだけである種成功なのだろう。
観客に与えられた条件は、何かが起き、食料、水が不足していること、動物が焼かれていたり、そのあたりの羊と死んでいたりするということは伝染病が蔓延しているのかもしれない、しかしわからないはそれだけではなかった。
#1362 2023年 397本目
2003年 フランス🇫🇷/オーストリア🇦🇹/
ドイツ🇩🇪映画
監督:ミヒャエル・ハネケ
製作:ファイト・ハイドゥシュカ
脚本:ミヒャエル・ハネケ
住んでいた街から別荘へとやって来た一家四人。しかし、そこには見知らぬ男とその家族が居座っており、男は夫・ジョルジュは射殺してしまう。
何故この男は夫・父を射殺しなければならないのかさっぱりわからない。殺さなくても食料も車も手に入れられそうなのに。
食料・水と車を奪われた妻・アンヌは、娘・エヴァ、息子・ベンを連れ、残った自転車で逃げ出す。
途中あることがきっかけで少年と合流し、南にある鉄道の貨物駅を目指す。
この少年の情報で、そこに来る列車に乗って避難することが出来るというのだ。
何から逃げるのか、どこに行くのかもわからない、とにかく希望のようにこの列車を目指すのだ。
貨物駅にたどり着いた一行は、既にそこに着いていた人々と共同生活を送るのだが、不足している水、食糧、物資を巡って争いが絶えない状況だった。
この後、ここに夫・父を殺した家族がここにやってくる。当然アンヌ達は彼等を責めるが、この家族は身に覚えがないことと全否定をする。
ここまで来て、この映画はこの家族に仕返しをして終わるのかと思っていたら、これ以上にとんでもない事件が起きてしまう。
ここまで書いて、結果的にわからないことだらけだたいうことがわかる。
「人間なんて、所詮、いつこんな状況の陥ってもおかしくないんですよ」と監督は言っているようだ。
タイム・オブ・ザ・ウルフとは
「狼になる時」という意味なのか。