カタパルトスープレックス

ボディ・スナッチャー/恐怖の街のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

3.5
クリント・イーストウッドの師匠であり、サム・ペキンパーの兄貴分でもあるドン・シーゲル監督の異色のSF作品です。原作はジャック・フィニイ作『盗まれた街』です。サム・ペキンパーはダイアローグ・コーチ(俳優に話し方をコーチする)として参加しています。

舞台はカリフォルニアのサンタ・ミラ。医師のマイルズ・ベネルが出張から街に戻ってくると、何かがおかしい。多くの人が精神科医にかかり「親族が別人になってしまった」と相談に来る。いったい、街では何が起きているのか?という話です。最後までどうなるのかわからない、サスペンスとしてなかなか良くできたストーリーで何回も映画化されるのがわかります。

映画としてもとてもよくできていると思いますが、ドン・シーゲル監督っぽくはないかなあ。もうちょっと土埃が立つ、男の匂いがプンプンする映画の方が似合ってるんですよね。洞窟に隠れるシーンがそれっぽいと言えるくらい。この作品が「初期の代表作」みたいになってしまうのは本人にとっても不本意なんじゃないだろうか。