カタパルトスープレックス

正しい日 間違えた日のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)
4.1
ホン・サンス監督が公私ともにパートナーとなるキム・ミニと出会った作品。

今回もホン・サンス監督の作家性がよく表れている。前半後半二部構成、ズームの多様、グダグダ男のダメな男女関係。たまたまそういう作品ばかり観ているのか、そういう作品ばかり作っているのか、今回も同じ。

ホン・サンス監督作品の登場人物はある意味とても自分に対して素直。どうしようもないじゃん、だって好きになっちゃったんだもん。これってホン・サンス監督とキム・ミニの関係そのまんまだったりもする。だから、これまでの作品の自分の欲望に素直な登場人物はホン・サンス監督自身を投影しているんだろうなという気がする。

愛すべきワンパターンと言えばアキ・カウリスマキ監督ですが、近い世界観を感じる。アキ・カウリスマキ監督作品の登場人物は誠実だけど逆境に立たされている。ホン・サンス監督作品の登場人物は自分に誠実だけど女にだらしないダメな奴。

今回の二部構成は「正しい日」と「間違えた日」の二部構成。どっちが正しくて、どっちが間違えたのだろう?