Yoshishun

ボディ・スナッチャー/恐怖の街のYoshishunのレビュー・感想・評価

4.3
「ダーティハリー」しか観たことなかったドン・シーゲル監督作ですが、50年代後半にこういったSFホラー作ってたとは……。

原作は何度も映画化されており、確か1番新しいのはニコール・キッドマン主演の「インベーション」。残念ながら未鑑賞ですが。

結論から云うと、かなり好きなタイプの作品。ホラー映画って色の情報が少ないことで未知の恐怖を感じるし、登場人物の心情も明確にはっきりとしないと思います。その点、やっぱり白黒だと恐怖倍増。何考えてるのか解らない侵略者達の無表情が白黒映像で際立っているようでした。

また、敢えて完結しない物語だから現実味があるし、あのエンディングからどう終着するのか想像しながら、他の方と議論してみるのも楽しいかもしれませんね。

こういうのを観てると、人間の内面的な部分での謎に言及したくなります。"心"って何故存在するのか、人間は生存本能に従っていれば誰も不自由なく暮らしていけるのではないか、心があるせいで人間は苦しむのではないか、と。

途中のあるシーンで、地下室で警察に出くわすんですが、そこで彼は知るはずのない死体について普通に語るんですが、主人公は何気なくその事実を鵜呑みにするんですよ。そこで主人公がその死体を何故知ってるかどうか問い詰めないのが不思議でたまりませんでした。明らかに警察怪しいですよ。また、クライマックスのとあるシーンで侵略者の増殖の方法がちょっと曖昧なことに気づきました。

今身近にいる知人や家族、本当に思いやりや人間性のある人間か確かめてみて下さい。本当に人間かどうかわかりませんよw

知らぬ間に未知の生物に侵略されるSF作品としては「ゼイリブ」が挙げられますが、そこまでエンタメ性の強い作品ではないので、少し哲学的な要素が含まれたホラーが好きな人にはオススメですよ。人間不信に陥っても知りませんが。あっ、あとあれ!「ウルトラQ」好きな人は絶対気に入ると思いますよ!
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