方眼

ボディ・スナッチャー/恐怖の街の方眼のレビュー・感想・評価

4.6
1956年、モノクロ版。サスペンスを低予算短期間で撮る名手、ドン・シーゲル。豆から人間が出てくるのだが、そこは見せ場ではなく、ちょっとでも寝たら入れ替わってしまう、人間芝居で緊張感を持続させる。画面や芝居の細かいところに目配りできており、アップにしなくても観ている人は気づいているという、確かな観客への信頼感。例えば、地下室に入る連続カットのガラス割りからそれ取り除いたり、あとで警官がそこから見てきたり。医師のオフィスから脱出するときに、3人分の注射を準備して手分けするのだが説明が無くても実行できたり。洞窟で床下に隠れて、上を追っ手が通るショットを丁寧に見せたり。で、ここで終わるかーと。共産主義への恐怖感は読み取れるが、もっと普遍的な、集団への恐怖。派手ではないだけに、日常と地続きの非日常が描けている。
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