ポケ文太郎

地獄の逃避行のポケ文太郎のレビュー・感想・評価

地獄の逃避行(1973年製作の映画)
4.4
原題『Badlands』
本作は1958年ネブラスカ州で実際に起きた実際の事件が元ネタ
その犯行は、19歳のチャールズ・スタークウェザーが14歳の少女、キャリル・アン・フューゲートと共に僅か2ヶ月の間に11人殺害しながら逃亡生活を続けたというもの
主犯のスタークウェザーは第一級殺人罪で死刑の判決が下り1959年に刑は執行されました

この事件は映画『カリフォルニア』『ナチュラル・ボーン・キラー』『トゥルー・ロマンス』などに影響を与えた事は周知の事実

本作を初めて観たのはかなり前で、シリアル・キラーやサイコパス犯罪にハマっていた頃
今回はあのテレンス・マリック監督デビュー作という視線で観てみようと思いました

本作では25歳の青年と15歳の少女という設定
要所要所に少女ホリーの哲学的なモノローグが流れます
いかにも監督らしい演出なのですが15歳の少女の思考なので他の作品に比べると大変わかりやすいです‼︎

格好ばかりつけて自分の邪魔をする者、気に入らない者を次々と排除するという稚拙な行為をする青年
そんな男に騒ぎたてることもなくついていく少女
こんな救いようのないふたりなのに、その逃亡劇はどこかロマンチック
ナット・キング・コールの曲が流れちゃった時には、あゝふたりだけのお伽話の世界

ネブラスカのだだっ広い荒野
どこまでも続く地平線にぽっんと一軒家
そして雲の切れ間から陽の光など…
監督の美意識は本作にも十分現れてました

やはりテレンスでマリックな作品ではありましたが一番理解しやすい!
ポケ文太郎

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