地獄の逃避行の作品情報・感想・評価

『地獄の逃避行』に投稿された感想・評価

No.3596

『変身願望としての犯罪』

======================

何がどうということはない話で、ストーリーもそのまんまなのに、

なぜか見入ってしまう。それがテレンス・マリックの妙味か。

そもそもアメリカがこんな広大な土地じゃなかったら、逃げようと思わないでしょう。

日本みたいに国土が狭かったら絵にならないし、すぐ捕まっちゃいそう。

あと、映画の内容を全然言い表していない「地獄の逃避行」という邦題、ひどくない??w

マーティン・シーンといえば「地獄の黙示録」だから、そっちに寄せてるの??
ogumannn

ogumannnの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

理由なき反抗する主人公Kitと、彼についていく自由奔放なHolly。人を次々と殺しても特に感情を抱かずにただただドライブを続けて、最終的には離れ離れになっていく二人。Easy RiderやBonnie and Clydeのようなアメリカンニューシネマ特有の社会的批判もそこまで感じられない作品。
物語には登場人物が行動を起こすきっかけや観客の心を動かす盛大なプロットがあるのが当たり前であるという概念を真っ向に無視して、目的のない言動をする主人公のストーリーを作っても良いとする映画のカタチが斬新。
James Deanと重なるKitのキャラクターや、彼をanti-heroとしてあからさまに飾っているようなナルシスト的な描き方にその時代の人々のカウンターカルチャーを美化する様子を風刺しているようにも思えた💭
odyss

odyssの感想・評価

1.5
【つまらん】

BS録画にて。

無鉄砲な若い男女の逃避行を描いた映画だけど、まったく面白くなかった。

だいたい、女をかっさらって逃げるにしても、その父親を殺す必要はないだろう。黙ってトンズラすればいいだけの話。そのせいで、賞金稼ぎだとか友人だとかを次々と殺さなくてはならなくなる。

それに、それほどいい女ならともかく、肌も汚いし顔立ちもどうってことない女。こんな女のために何人も人を殺すなよ! おまけにこの女、最後まで付き合うのではなく、途中で「もう、いや」と言って脱落してしまう。ブスな上に根性もない。

こんな女、さっさと捨てなさい!

ちょっと面白かったのは、最初の逃亡の前に、お金を払って私製のレコードに遺言を吹きこみ、その再生音を電話で警察に伝えるところ。当時(1950年代後半)のアメリカには、多分まだ磁気性の録音テープが普及していなかったから、こういうふうに私的なレコードを作れる装置が街なかにあったんだね。へえ、と思いました。

このレビューはネタバレを含みます

おとぎ話のようだった

ホリーのボイスオーバーと音楽が、映画全体にノスタルジアをもたらしている感じがあった。
彼らが訪れる自然と風景に、我々が生きる世界が美しいものであると感じざるを得ない。
キッドの孤独と死向かっていく悲しさがある一方で、逃避の経過には生の美しさへのまなざしがあった。
しかし無情でもある。
「死ぬまでに観たい映画1001本」746+156本目

主演のマーティンシーンが、地獄の黙示録に出ていたので、邦題に「地獄の」と付けたらしい。酷すぎる。

単に無軌道さしか、感じられなかった。
ナチュラル・ボーン・キラーズを観た後で、“ネット・サーフィン”ならぬ“ムービー・サーフィン”のように、連鎖的に興味が湧いての鑑賞。
残念ながら配信もレンタルも無かった為、Blu-rayを買って観た。

主役のマーチン・シーンは『地獄の黙示録』が世に出る前で無名。相手役のシシー・スペイセクは『キャリー』(スティーブン・キング原作)以前でこれも無名。
いろいろあって予算の制約もあり、興行的にはさっぱりであったらしい。
日本では劇場公開されず、マーチン・シーンが『地獄の黙示録』でブレイクした後、それにあやかって『地獄の逃避行』という邦題が付けられ、テレビの洋画劇場だけでの公開だったという。
現代のBadlandは、彼らが暮らすサウスダコタの荒涼とした土地のことらしい。

1958年にアメリカ中西部で起きた「スタークウェザー・フューゲート事件」が題材。
19才と14才の若いカップルが駆落ち逃避行の中で、10人に及び無差別連続殺人を犯した事件で、殺害目的も特に無く、反省や謝罪もなく死刑になった(傍観していた女性のフューゲートは服役後に社会復帰)事件。
どことなくボニーとクライドを彷彿とさせる二人だ。

同じ事件を扱ったトニー・スコット(タランティーノ脚本)の『トゥルー・ロマンス』やオリバー・ストーン(タランティーノ原案)の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』が爆発的な狂気を描いているのに対して、対照的にこの作品は事件の残酷さとは似つかわしく無い、静かで癒しさえ感じる詩的なタッチで描かれる不思議な映画である。

ブルース・スプリングスティーンが、『ネブラスカ」という曲でこの事件のこと(この映画のこと)を歌っている(1982年)。
淡々と写実的に、犯人の一人称視点で書いたその歌詞は、とてもこの映画に似ている。

極めて反社会的で虚無的な犯罪を犯したこの二人を淡々と描くことで、逆説的に彼らが諦めて無感覚になってしまった、社会の寛容性や、人生における救いというものが伝わってくるような、どこか宗教的、哲学的な匂いがする。アーティスト、テレンス・マリックならではの作品だと思う。

ブルース・スプリングスティーンの「ネブラスカ」は以下のような歌詞で終わる。

They wanted to know why I did what I did
Well sir I guess there's just a meanness in this world

(世間は俺のやったことの理由を知りたがったけど…この世の中には酷いことがあるって、それだけのことじゃないかな。)

ブルース自身は、この曲を書いた背景について詳しく語っていないが、「故郷であの映画を観たことは記憶に強く残っている。当時の俺も、似たような感じはあった」とコメントしている。
トニー・スコットやオリバー・ストーンが原色の狂気で描いたものも、テレンス・マリックが静かな詩として描いたものも、表現手法は全く違っても、同じく夫々、この言葉の持つ意味の解釈なのだろうと思えた。
この映画ってテレビでしか放映されなかったと聞いて驚き!

タラちゃんがこの映画にオマージュを捧げた「トゥルー・ロマンス」。監督はトニー・スコットだったね…忘れてた…。タラちゃんは脚本担当。
でも、このトゥルー・ロマンスと言う言葉の意味もこの映画を観てタラちゃんが感じた事なんじゃないかなって思っちゃった!

マーティン・シーンとシシー・スペイセックの2人が若い!2人の繊細な演技が堪能できる。上手いな〜!
特にマーティン・シーンがめっちゃ好い❣️

ほぼ全編、15歳という恋に恋する年頃のホリーの詩的で正直な表現によるナレーションで語られていくので退屈と感じる人もいるかもしれないな…

実は、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」と同じ実話題材だと言う。撮る監督によってその題材をどう捉えてどう見せたいかが違うのも映画の面白いところ。

「死ぬ時は互いの腕の中で死にたい」と確信し、2人の思い出を赤い風船に乗せて空に放つキット。

なんてロマンティックなんだ……

その姿を遠目に眺めるホリー。恋に焦がれていた少女から大人へと変わっていく瞬間を捉える。
ただ美しいというだけでなく、そこには夢から覚めつつある少女の複雑な眼差しがある。

2人の愛の行方…。

キットのホリーへの気持ちが愛なのか?何か別のものなのかは分からないが、少なくとも彼の思い描いた最高の瞬間にはホリーの存在が必要だったのは間違いない。

女より男の方がロマンチストって言うことが見事に表されている映画かも。

ド派手なアクションも過激な暴力シーンもないので決して刺激的な映画ではない分、ぐっと人物像が引き立ってる。

高画質で観れたらいいのになー!

天国の日々を撮り姿を消した伝説の監督テレンス・マリックのデビュー作。

25歳のキットはジェームズ・ディーンに憧れている若者。清掃員として働く彼は15歳の少女ホリーと出会う。互いに惹かれあい交際が始まるが、ホリーの父親はそれを認めようとしなかった。そんな彼をキットが殺害。その後、キットとホリーは逃避行を続け、犯行を繰り返していくが……。

58年にネブラスカ州で実際に起った連続殺人事件。📌1993
Shaw

Shawの感想・評価

4.4
05.31.2022
07.24.2022

35mmフィルム上映があったので再鑑賞してきた。

この描き方が正解かどうかは分からないが、とりあえず革新的で美しく多くの人が認めるアメリカ映画史における重要作の一つということは間違いない。好き。
 銃を持てば撃たずにはいられない向こう見ずな男と少女のロードトリップ。人を躊躇なく殺める割に清々しい雰囲気の奇怪な映画で、妙に感傷的かつポエティックな演出が面白い。警官や軍人と打ち解ける奇妙なラストも「ベトナムでなら英雄になれた」とでも言いたげで苦笑した。
>|

あなたにおすすめの記事