地獄の逃避行の作品情報・感想・評価

「地獄の逃避行」に投稿された感想・評価

ざべす

ざべすの感想・評価

3.5
”アメリカン・ニューシネマとは、1960年代後半から1970年代半ばにかけてアメリカでベトナム戦争に邁進する政治に対する特に戦争に兵士として送られる若者層を中心とした反体制的な人間の心情を綴った映画作品群、およびその反戦ムーブメントである。”(by Wikipedia)

ということで、実在の殺人鬼カップルの逃避行をモデルにしたアメリカン・ニューシネマ映画。
アメリカン〜ってどんなジャンルだっけ??ってよく忘れるので書いとく!!!

刹那的な犯罪カップルということで『俺たちに明日はない』と対比して語られている方が多い。
そっちも見てみよう〜〜

『地獄の逃避行』は、異常で日常の延長線でアホっぽくて良かった。
理解を超える連続殺人事件の中身ってこんなもんなんだろうなぁってリアル。
大枠は無論ニューシネ版、夜の人々なのだが、Jディーンて言われまんねん、と嘯くMシーンも、撃たれたオーツと燃える家(大砂塵)も、モデルになったバカッポーが感化されたのか、マリックがそっちに寄せたのかは知らんが見れば見る程ニコレイ映画。と思ってたら後半の壮観なロケーションと共に始まるグリード的展開はもはやフォードの西部劇みたいだ。あれ?実際コッポラ頂いちゃったんじゃね?ぽいカットもあったから邦題は間違っていない。
実際に若いカップル起こした銃殺事件(1958・ネブラスカ州)を元にした逃避行

軽快な音楽と綺麗な映像がより事の異常さを引き立てる。
自分の感覚ががおかしいのか?という気さえしてくるも好きな演出。

原題 Badlands(荒地)
「俺たちに明日はない」のようなアメリカン・ニューシネマの類に入るのだろうか?

今や、大ベテランのマーティン・シーンとシシー・スペイセクの二人の虚無感が漂うロードムービー?!

この時代の特徴である、登場人物の半ば投げやりな刹那的な行動が、この頃には受け入れられた

巨匠テレンス・マリック監督の作品は、難解ではある
死ぬまでに観たい映画1001本より411本目

やはり男女逃避行ものはどんな作品を観ても肌に合わない。
そして、テレンスマリック監督の作品てこんなにモノローグ入ってたんですね…

大してぱっとしない感じでしたが、マーティンシーンはさすがに存在感凄かったです。
三畳

三畳の感想・評価

4.4
なんでこんな風と共に去りぬみたいなジャケットなのだ?こんなシーンないよ。タイトルも「俺たちに明日はない」的なノリの翻訳かもしれないけど「地獄」はれるほどの濁音感、血生臭さ、ちっともなかったよ。静謐。クリアーで無抵抗で傍観してて。経験したことないのに既視感覚えた。

なんか「そかそか」ぐらい思った。少年犯罪、こういう感じでやってんだ。人の命なんとも思ってないんだ。サイコパスですらなく天然なんだ。

カッとなってお父さんを殺しちゃったことを皮切りに、どんどん人殺して逃げるカップル。まだまだ児童文学を朗読するみたいなトーンで、15歳の女の子のナレーションが全編挿入される。
本人の言う通り、なぜジェームズディーン似と言われる25歳男が、表面的にはぱっとしない彼女を選んだのかわからない。

でも、あわてず騒がずの貫禄、金髪のまとまりも、お嬢さんなドレスシャツ着こなす体格も、肌と同じ色の眉毛も、全てに憧れる。すごくかわいい。
なりゆき逃避行ものの女の子って、それまでの人生では全くそんな悪事に接点がないのにある日突然、秘めたる逃避行の才能が開花するように思う。私にもあればいいのに。

男もまた、上下デニム稲葉浩志みたいな恰好で、やたらに銃使いが的確で、よく喋ると思いきや何考えてるかよくわからず、めちゃくちゃかっこいい。逃げる過程の慣れた身のこなしはまぁ今思えば十中八九前科者なんだけど、重い陰背負ってる感がなくて。顔タイプじゃないのに惚れた!映画の中で男の人にときめいたのっていつぶり?

自分の中で「FRIED DRAGON FISH」と同じフォルダにしまう。特にクライマックスで浅野忠信さんに心奪われる瞬間がすごい似てた。雰囲気映画かもしれない。BAD LAND=悪地はダコタ州の痩せた土地で農業にも適さないって意味らしいけど、荒れた家庭環境だから彼女たちがこうなった的な描写はなかったし。「天国の日々」を撮ったテレンス・マリック監督、期待以上の美しい自然光。
むむむ

むむむの感想・評価

4.0
異常な状況なのに登場人物がみんな落ち着いてて静かなのが良かった シシー・スペイシクは最高
上旬

上旬の感想・評価

3.5
テレンス・マリックの監督デビュー作。とにかく撮影が素晴らしい。デビュー作でも難しい要求をかなりクルーに強いたようで2回も撮影監督が代わったらしい。それでも一貫性のある美しい映像になっているのはテレンス・マリックの強烈な作家性という証明だろう。

実際にあったスタークウェザー=フュゲート事件を元にしていて、いきあたりばったりに殺人と窃盗を繰り返すという『俺たちに明日はない』のような話なのだが、とても静謐で詩情豊かな作品になっている。

まだ成熟していないからこそ恐ろしい、無感情で少しでも気に触ることがあれば殺してしまう青年を演じたマーティン・シーン、ジェームズ・ディーンに似ているからと彼に同乗する少女を演じたシシー・スペイセクの顔がとてもいい。

少女が少しずつ気持ちが冷めていくのが手にとるように分かる。ナレーションを中心としながらもそれに頼った映画作りにはなっておらず静かながらもスリリングな展開で惹き込まれていく。

面白いかと言われるとよく分からないけど、テレンス・マリックは変わらないなということを確認する意味でも必見。
アル華

アル華の感想・評価

3.9
まだ幼い二人の愛の逃避行を描いた青春映画。
何か作中で行われる無差別な殺人も陽気に感じ、殺人鬼と一緒に果てなき道を共に進む少女の事の重大さを理解していない心情をしっかり描いているためか、軽い雰囲気の中に今起きている事の恐ろしさがより現れているように感じる一作🚬
昔、観た記憶があるが、どうだったかさっぱり忘れていた。観ているうちに「ナチュラル・ボーン・キラー」の基ネタだと気づく(しかも実話!)。テレンス・マリックは、この殺人鬼の逃走劇を詩的に描く。個人的には、全く主人公に共感できないのがこの作品を?とさせる点だろう。少女のこの場所から逃れたい気持ちと宛てのない生活に飽き飽きする点は、共感できる。冒頭、チャリー・シーンとシシー・スペイセクが通りを歩いているシーンなんかはゴダールの「勝手にしやがれ」のようだ。全編、綺麗な映像だ。この後の「天国の日々」に結集されるのだと思う。
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