環境保護を訴えるため、1年のうち数ヶ月をグリズリーの住処(アラスカ)で過ごし、そしてクマに食べられた男のドキュメンタリー。
途中からは『イントゥザワイルド』を想起しました。お話は全然違うけど、主人公の動機に近いもよがたる。
クマそのものに憧れてるというよりも「ここじゃないどこか」にすがってる男。
つまり、クマそのものを分析したりしてるというよりも、クマに自分を重ねてるように見えるのです。
彼の愛は環境保護とかは建前に見えました。だって、理屈をほとんどすっ飛ばしてる。
「俺の愛するものが傷つくのが許せねえ!」としか言っていないと思うんです。
この映画はそこに対してかなり意地悪に切り込んでるように見えるのですが、同時にその愚かさを断罪するわけじゃない…そんな語り口なのが素晴らしかったです。
「やがて彼は自然そのものではなく、自分を主役に映画を撮るようになったのだ」で吹き出しちゃった。
彼の遺したアラスカの映像は素晴らしいんだけど、だんだん"彼の映画"になっていくところは笑った。
しかもナレーションも「彼がいない瞬間の方が美しいのだ」とか言っちゃってるし笑