菩薩

ラッパー慕情の菩薩のレビュー・感想・評価

ラッパー慕情(2003年製作の映画)
4.4
皆が「サイタマノラッパーって知ってる?めちゃくちゃ面白いよ!」と歓声を上げている最中、僕はこの映画に謎のシンパシーを感じていた。なぜかと言うとそう、町山氏が言う様にまったくもって『僕といっしょ』の世界観と同じだからである。あの漫画は今でもこの世の奇跡だと思っている。だって同じとことで何回でも笑えるんだもの。(ちなみに一番好きなところは、ダンロップって書いてある、だ。もしくは、おちょこ!おちょこの裏!だ。)

あの時、この映画に出てくるダメ人間三兄弟を見て、自分なんかまだマシな方なんじゃないかと変な安心感抱いてしまった。しかし今となっては完全にそれが仇となっている気がする。大学は出たけれど、だ。しかも一年遅れで苦労して出たのに、だ。

極め付けは腸をチュルチュルと引き出す井口昇の怪演だ。謎めいたその姿に只ならぬをものを感じ、すぐさま『片腕マシンガール』を借りに行き、更に取り返しのつかない衝撃をくらわされたのは言うまでもなかろう。


と、今となってはこの映画を観たことが良かったのか悪かったのかすら分からない。が、今でも深く爪痕を残している事は確かだ。はっきり言ってオススメはしない。したところで観てくれた人は一人もいない。が、このまま人類の歴史から消え去ってしまうにはあまりに惜しい作品である事は確かだと思う。だが、本当に、オススメはできない。怖いもの見たさで観てもいいよという猛者がいれば、よろしければ…責任は取れない…。


ちなみに未だにサイタマノラッパーは観ていない。
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