囚人13号

ダウンヒルの囚人13号のレビュー・感想・評価

ダウンヒル(1927年製作の映画)
3.3
カレッジものかと思いきや三角関係からタイトル通り人生下り坂青年の憂鬱話で、エレベーターのDownボタンにも反応してしまったが『リング』然りタイトルも上手い。
流石にこの頃からキスを官能的に撮るなと感心していたら『カリガリ博士』のような部屋が出てきたり、精神錯乱シーンで幻覚/レコード盤への合成や手持ちカメラの目線ショットがあったりしてやはりヒッチコックはこの頃から色々試してたんだなと感心。序盤で女が誘惑されたと訴えるどぎついクローズアップから二重焼き付けの連続もアヴァンギャルド映画みたいな嫌らしさが出ていて印象的。

字幕が極端に少ない気がするが、そもそも彼自身映像で色々示唆させるのが好きだったのかなと勝手な解釈で納得した。酒や心理的な力が作用して美人に見えた女性も自分が正気に戻ると…というシーンは結構残酷。
囚人13号

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