垂直落下式サミング

血に飢えた白い砂浜/ブラッド・ビーチ/謎の巨大生物!ギャルまるかじりの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.1
私がみたのは『謎の巨大生物!ギャルまるかじり』という副題は付いてなくて『血に飢えた白い砂浜』という怪奇でミステリアスな邦題でパッケージングされていた。
この作品の何がすごいって、砂浜に潜む怪物が人を襲うというモンスター映画のはずなのに、その設定を知らずに観ると、序盤は砂浜という場所そのものが意思を持ち、人を吸い込んでいるように見えることだ。
調査をするうちにトレマーズ風の怪獣がビーチに潜んでいるという推測がたつのだが、こいつがなかなかギャルを丸かじってくれない。主食は主にババアとオッサンで、たまに犬の頭とかも食べるのだが、肝心のギャルのケツにはいつ噛みついてくれるのだろうとそわそわしてしまった。ついにギャルが丸かじられてしまう場面は引っ張っただけあって衝撃的で、美女の足元が底なしの流砂のように崩れ、もがきながら蟻地獄にずぶずぶと沈みこんでゆく。
それ以外は、めまぐるしいカメラワークも軽快な編集もない平淡なものだ。怪物の全容がなかなか明かされず、最後の決着をむかえるときまで、のんびりとくだらない時が過ぎ去ってゆく。
「そういえば昔食べたあの変な味のおやつ何だったっけ?」とふとした時に何故か記憶がよみがえり、なかなか商品名を思い出せずにもやもやするが、思い出したところで別にそれを食べたいわけじゃないし、別段おいしいものじゃないことはわかってるんだけど、お菓子コーナーで売ってるのを見つけるとテンション上がる。そんな映画。