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山の焚火のvanillaのレビュー・感想・評価

山の焚火(1985年製作の映画)
3.8
聾唖の息子と対話しようともせず『誰かかまってやれよ』的な扱いで1人の人間として扱わず…。知的に問題があるわけではなさそうなのに、最初から教育を諦めて、後天的に障害になるパターン。そんな親の態度が招いた当然の結末。それもまた自然の一部。
福祉の思いっきり充実した国家の大都会ならまだしも、山奥のコミュニティにおいては障害のある身内の扱いはこれが現実だろう。
読み書きを教えたり対話を試みたりする姉、知的活動そのものに否定的な家父長制の遺物みたいな父親、事勿れ主義の母親。
スイスの大自然の中の雰囲気はいいけど地獄みたいな映画。

第二次性徴を迎えた男子にひたすら石を割って謎の壁を作らせるシステム、中学生に無駄に部活動を強制して性欲を持て余さないようにさせるのと同じでどこの国も一緒かぁ…と思ってみたり。

ところで、ベッリが口紅をもらって嬉しそうにクルクル繰り出すシーン。あれ最後まで出しちゃって戻らなくなって「あっ…」ってなってるよね、すぐ切り替わるからとりあえずカットしたんやろけども。
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