山の焚火の作品情報・感想・評価

「山の焚火」に投稿された感想・評価

hagy

hagyの感想・評価

3.5
とあるスイスの山奥、澄み切った空気というロケーションとは対照的に、閉鎖的な生活を営む4人家族
父、母、姉、坊や、、
そんな彼らに自然な流れで起きるある出来事、、、


そこでは確かに人が生きているのだと感じる一方で、まるで檻の中の動物を見ているよう、、都市伝説の類いに遭遇した気分ですね
静かな衝撃を秘めた作品というかんじ
山奥で暮らす家族の閉鎖感と、聾唖の弟と健常者の姉がSEXするまでの流れが半ば必然的に行われる。
近親相姦を美しいものにしてしまってもいいのだろうか。辺り一面草原や雪しかない状況下で若い男女はお互いしかおらず、地球上に自分たちだけしかいない様な錯覚に陥る。これは恋ではなく精神的な支え合いだと思う。聾唖で喋ることも出来ない障害を持つ弟を、教師を目指す姉が支える。一見支えてるのは姉のように見えるが実は逆で、あのままでは姉の方は環境や重圧に耐えきれず感情が押し潰されていたように感じる。
弟は案外ケロッとしていて楽しそうだから弟にとっては性を満たす衝動的な好奇心でもあり、一線を超えた感情があったかもしれない。禁忌であることは承知しながらも心も身体も制御出来ず悲劇に繋がる。
でもそんな出来事もスイスの広大な風景の中ではちっぽけな存在となる。
scarface

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4.0
これはとんでもない作品。スイスの山々の中で生きる家族の物語。圧倒的な大自然の中で、浮き彫りになる人間の姿が、やってることおかしいけど、美しいし肯定できてしまう。楢山節考を思い出しました。そしたら監督もやはり参考にしたらしい。
CHEBUNBUN

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5.0
【河瀨直美『Vision』に足りないもの全て盛り】
スイスかどっかの限界集落での生き様を描いた作品。話自体は凡庸で、僻地で「アダムとイヴ」やエディプスコンプレックスものをやっているだけだ。

しかし、この作品はブノワ・ジャコの『かごの中の子供たち』同様、他の作品を大きく引き離し、観るものの心の最深部にまで槍を刺す作品だ。

限界集落の一家。発話障害の息子は父に虐められている。そんな彼を優しい姉が面倒を看る。少しずつ、二人の間に肉欲の愛が結ばれていく。

テイストは河瀨直美『Vision』と似ている。しかし、こちらには『Vision』で著しく欠けていた、《本能》がしっかり描かれている。

雲よりも高いところに住み、「人々」という群から隔絶された場所で、人は野生動物と同類になる。突発的に動き、肉欲には抗えない。自然がコントロール不可能なように人もまた制御不能だ。歪んだ音、そして現実離れした身体の動きを通して、人類の原子に巡り合う。この自然と動物の関係性をスピリチュアルな映像と共に掘り下げていく。面白くも残念だった『Vision』。これが傑作だったらどんな映画だったのかを『山の焚火』は教えてくれました。

TSUTAYA渋谷店に眠る傑作です。
2MO

2MOの感想・評価

3.6
集団を作って人は山を下りた。
宗教的な結び付きによって社会は形成され、社会には神的なるルールが課される。複雑なコミュニケーションに言語は発達し、人は万物を解釈することにより人間たらしめるようになる。

人里離れたアルプスの中腹に、聾唖の“坊や”とその家族が暮らしている。
ほとんど社会と隔絶した生活の原始的な営みの中で、今にも暴れ出しかねない衝動のピュア。壮麗な山々の静的なロングショットの狭間、危うさを孕んだ非言語的なコミュニケーションのピュアにクローズアップされる視線。
つまり悲劇を映し取る。悲劇は美しいというこの世界の風景と併せて。

人間は社会の中で自己を見出す生き物だ。湧き上がるエネルギーを社会で交流させて、平静は保たれる。そうして理性的な大人として社会に与する。
適者生存の限りにおいてはそうなのだ。
イシ

イシの感想・評価

4.6
最初から最後まで緊張感があって、ラストの盛り上がりも、背徳的だけど、でも山の風景と一緒になっていくようで綺麗だった。
すごく閉じた世界の話。だからお姉ちゃんの息苦しさが伝わってくると思うのに、最後には観てるほうも解放される。
目が離せない映画で静かな名作と思った。
中庭

中庭の感想・評価

4.3
夜明け前の薄青い暗闇の山腹で絡み合う姉弟の裸と、ランタンに照らされた積雪の滑らかさが錯覚的に重なった瞬間、この作品から通俗的なドラマ性が剥ぎ取られ、画面上の事物全てが等価な存在に置き換わる。終始鳴り続ける環境音のどう猛なサウンドトラックに翻弄され、オカルティックな呼び声をいつのまにか自然なものとして受け入れ始めたとき、この恐ろしき映画と観客の唯一無二の関係性が成立する。
MegmiTanak

MegmiTanakの感想・評価

4.2
私的傑作リストに不意打ちで入り込んできた映画。とんでもない作品だ。シンプルかつ力強く、大自然を舞台にくっきりと浮き彫りにされた人間の悲劇。”神聖なる背徳感”が映画全体を支配している。傑作映画の見本のような映画ではないか。
櫻

櫻の感想・評価

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街から離れて山岳で暮らすある一家。社会からの断絶と孤立。家族間だけで完結してしまう日常の恐ろしさ。耳が聞こえず口がきけない少年と姉のある意味では自然ともいえる間違えから起こる、悲劇。
(あのラストは何?)

父と少年が顔にシェービングムース?塗り合うシーンが微笑ましくて救いだった。
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