クッソ面白い。おっさんと若造のなんたらと見せかけて、とにかくおっさんの映画で素晴らしい。
まずそうな飯。うるさい人間。でもうるさくない奴といると、喋ることがない。世界は良し悪しなく無慈悲で、故に何が悪いといえば俺しかない。それをこの映画は直視するし、故にこいつは血(尿)で滲んだ拳を振るう。
そんな30の一戦で禿げ勝とうが禿げ負けようが、そいつの30までの戦い方では、振り向いたジジババを見ただけで顎をぶん殴られるには十分過ぎた。禿げ負けた人間はそれはそれで当然に負けであり、とぼとぼ帰る廊下はピカイチの寂寞を持つ禿げ上がるほど美しいシーンだ。負けようが禿げないジェフ・ブリッジスのフワッフワの輝きはライティングどころの話じゃなく、全くもうダメージがでかい。
しかしこの映画がクッソ面白いということ自体が、血(尿)を握りしめる理由になる。俺が自他共に認めるおっさんになるまでにソフト化しておいてくれ。当然カリフォルニア・ドールズの横に並べさせていただく。