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クローネンバーグの ファイヤーボールの一人旅のレビュー・感想・評価

3.0
デヴィッド・クローネンバーグ監督作。

悪趣味嗜好の強いカナダの鬼才:デヴィッド・クローネンバーグが、カーマニアとしての一面を映画に表出させた70年代カーアクション映画の隠れた佳作であります。

米ドラッグレース界の人気レーサー:ロニー・“ラッキーマン”・ジョンソンの勇姿を描いたカーレース物で、同僚レーサーやライバルレーサーとの切磋琢磨や美人ヒロインとの情熱的なロマンスそして傲慢な悪徳スポンサーの男との大炎上必至の対決がテンポよく語られます。

いつものクローネンバーグ流の悪趣味&グロテスクな映像世界は完全に影を潜め、カーレースに情熱を注ぐ凄腕ベテランレーサーの漢らしい生き様を爽快に活写した王道のカーアクション映画となっています。スピード感溢れる直線カーレースが見所で、ニトロ噴射による超加速シーンは『ワイルド・スピード』(2001)の先駆けとも言えますし、レーサーが搭乗する“ファニーカー”の不規則な挙動&爆音も迫力に満ちています。
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