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ベンジャミン・バトン 数奇な人生のsatchanのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

2度目の鑑賞。デイジー役の女性が、ケイト・ブランシェットだったとは…。当時、何も知らずに見ていました。日記を元に、デイジーとベンジャミンの人生を回想していく展開。日記を読み聞かせている娘キャロラインが、視聴者と共に母親の過去に驚き、自分の本当の父親について知るところが、人生を分かち合えた感じで良かった。病棟を襲うハリケーンが、2005年に実際にニューオーリンズを襲った「カトリーナ」とリンクしているところも、いとをかし、でした。

原作がフィッツジェラルドだったことも知りませんでした。『華麗なるギャッツビー』にも意味深な知られざる世界観がありましたが、『ベンジャミン・バトン』は更に不可思議な世界ですね。老人として生まれて、赤ちゃんに戻る。年老いた人たちが、段々子供っぽい言動をとる様子は見受けられますが、こんなストーリーを展開してしまう想像力は天晴だと思います。若返るということが、どういうことを意味するのか、次第に愛する人を忘れ、我が子を養育することができなくなり、自分の世話すらできなくなっていく、確かになぁと感心します。最後には、デイジーの腕の中で、赤ちゃんとしてこの世を去る、美しいような、悲しいような、複雑な物語でした。

今見ても、ブラッド・ピットの老人の姿に施されたメークや衣装、若返った姿は素晴らしかったです。ケイト・ブランシェットの老婆の姿も。病床の演技も良かったと思うけれど、アカデミー主演女優賞はノミネートすらされていないのですね。ベンジャミンの育ての母親役に『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』のタラジ・P・ヘンソン、父親役に『ムーンライト』のマハーシャラ・アリが出てきたことに、改めて驚きました。『ドクター・ストレンジ』『コンスタンティン』などのティルダ・スウィントン、『ボビーZ』のジェイソン・フレミングなど、この俳優さん!みたいな喜びが多く、楽しめるポイントが多かったです。
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