「ほしのこえ」は短編ゆえの説明不足があるが、逆にそれが想像力を掻き立てるとともに、遥か宇宙の彼方に行ってしまった少女と地球に取り残された少年の繋がりに集中できた。
しかしこれは長い割には説明不足だし、何だか設定があまり頭に入ってこない。
この作品でも急にいなくなってしまった少女への想いを、別々の道に進みながらも捨てずにいる少年達を描いている。
細部にまで書き込まれた日常の背景や道具の数々、生活音がとても緻密でリアルで素晴らしい。SFなんだけど、現実の延長線上にあると思わせてくれるくらい自然であり、毎回目を奪われてしまう。
それに対して人物の作画は少し稚拙であり、そのギャップが何とも言えずクセになる。良いか悪いかは別として新海作品の好きなところだし、それが嫌な人もいるかもしれない。
いずれにしろSFファンタジーであり、ラノベ感が強いので一般の人にはそこまでオススメ出来る映画ではないかな。
