あの9.11の“ツインタワー”、ワールドトレードセンター倒壊の刹那と生き埋めになった警官と、その家族、そして、それを助ける救助隊達の物語。
警官隊が凄惨な現場に赴き、凄惨なツインタワーの現場でカッコ良く市民を助ける話、ではない。
救助に向かった彼らがビルの壮絶な倒壊に巻き込まれ、生き埋めになり、瓦礫の下で、負傷し、ただただ救助を待つしかない窮地で何を思う、、、そんな話。
無線も繋がらず、瓦礫の倒壊が何度も彼らを襲う恐怖と戦い、負傷したことで意識も遠のく絶望感の中、仲間がどんどん減り、残られた2人が声を掛け合う。
とても希望なんか望めない瓦礫の渦。
世界有数の経済都市が姿なき悲惨な光景に見舞われる。
助けを求める方も、助ける方も、どこから何をして良いかもわからない無残な光景が印象的。
これは埋もれてしまったとある警官2名に焦点を当てた映画だが、それはあくまで断片的なドラマでしかなく、絶望の中で僅かな希望を描けた数少ないケースで、実際のこのツインタワーの倒壊で犠牲となった人々は数知れず。
テロには屈せず、僅かな望みに全力で挑み、仲間や家族は決して諦めないと言うアメリカの精神を強く感じる作品。
これ、オリヴァーストーン監督だったのか。だからなのか、ヒロイズムというより、ただただそこにいる人たちと仲間や家族のドラマを淡々と描いている印象。
ただただ「こんなことがあった」とリアルな感じ。
映画自体は瓦礫の中だったりするので動きは少ない。それを家族や奔走する仲間達でバランスを取る。
そして、瓦礫の中も、ニコラスケイジとマイケルペーニャで一際キャラが立つ2人で絶望感の中に、人間味が滲み出てる。
事実に基づく映画だから、これが良いとか悪いとかの話ではないが、9.11にここで起きたこと、何が起きて、どんなことが起きたか、そこにいた人、それを見守る人達が何を思ったか。
ひしひしと、確実に伝わってくる作品。
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