ぶみ

ワールド・トレード・センターのぶみのレビュー・感想・評価

3.5
勇気そして生還。
これは、真実の物語。

オリバー・ストーン監督、ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ等の共演による実話をベースとしたドラマ。
2001年9月1日、アメリカ同時多発テロで崩壊したワールドトレードセンターを描く。
主人公となる港湾局の警察官ジョン・マクローリンをケイジ、ウィル・ヒメノをペーニャ、それぞれの妻をマリア・ベロ、マギー・ギレンホールが演じているほか、ジェイ・ヘルナンデス、マイケル・シャノン、ジョン・バーンサル等が登場しているのに加え、マクローリン、ヒメノ自身も出演。
物語は、ワールドトレードセンターに取り残された人々を避難誘導すべく建物に向かった警察官が、建物の崩壊に巻き込まれ、閉じ込められてしまう様が描かれるが、まず特筆すべきは、2006年と既に17年前の作品でありながら、CGやVFXに違和感なく、当時の衝撃が映像でしっかり再現されていること。
実際のニュース映像等も挿入されるため、あの時の出来事が、見事に蘇ってくる。
展開としては、閉じ込められてしまったマクローリンとヒメノの二人と、彼らの家族の姿が映し出されるスタイルで進行。
建物内は静、外の世界は動と、対照的な映像となっているため、二時間超えの長めの尺ながらメリハリが効いており、終始飽きることはない。
何より、本作品は、マクローリンやヒメノ等の行動を再現した実話であることであり、あの日あの時あの場所で、何が起こっていたのかがつぶさに伝わってくる仕上がりとなっている。
エンタメ作品的な面白さはないものの、様々な形でテロに巻き込まれた人々の勇気や生命力を感じ取ることができる一作。

神は煙でカーテンを掛けた。
ぶみ

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