【1961年キネマ旬報日本映画ベストテン 第10位】
市川崑監督…というより和田夏十のオリジナル脚本作品としての評価が高い本作。設定がまず面白い。
テレビプロデューサーの風は正妻がありながら何人もの女と浮気していたが、ある時妻と浮気相手の9人の女が共謀して風を殺そうという話になり…という話。
最初に10人が集まったシーンの白黒撮影を上手く活かした陰影の濃い撮影方法が劇的効果をグンと盛り上げる。あのなんとも言えない場所もいい。
女をモノとしてしか扱ってこなかった男が後半には女たちが男をモノとして、所有物として扱うようになるというブラックコメディ感が堪らない。
船越英二は喜劇もよく似合う。女たちの中ではやはり山本富士子と岸恵子が絶品。特に岸恵子の終盤のやりとりはなかなか核心に迫っていておもしろかった。
ラストも意味深。眠そう→誰かに薬盛られた?→また誰のものでもなくそうという策略?とか考えたけど考えすぎ?