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マルサの女のnanaのレビュー・感想・評価

マルサの女(1987年製作の映画)
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税務署で働くやり手の調査官、板倉亮子がその勤務成績を認められ国税局査察部(通称:マル査)に抜擢。
そこでの脱税者との戦いを描きます。
やはりマル査はほぼ男性の職場なので、そこでの「働く女性」の描き方も印象的。
板倉は小さな息子をもつシングルマザーという設定でもあります。

敵役となる山崎努演じる権藤が、単なる極悪人ではなく非常に魅力的なキャラクターとして描かれているのが面白いです。
あの「儲かって仕方がないなダンス」は一度見たら忘れられません。
ちなみにこの権藤という役名は、山崎も出演した黒澤明の『天国と地獄』で三船敏郎が演じていた社長の名字ですが、そこは狙っているのでしょうか。
かつて彼が羨望し憎んだ「権藤」に、今度は自分がなっています。

伊丹十三ならではのユーモアを盛り込んだ、楽しくてアツくなるプロフェッショナルたちのお仕事映画。

途中に一瞬出てくる、まんまるでやる気のない柴犬も見どころ。
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