私たちはなぜ歴史を学ぶのか。
なぜ過去に手を伸ばすのか。
この作品に出てくる人たちは、みんな完璧じゃない。
善き人でない部分もある。
でも、みんな何かを、寂しさを抱えている。
そんな人たちが出会い交>>続きを読む
原作は公開されたときに一度読んだきりで、おおまかな話の流れは覚えていても、忘れている部分が結構ありました。
映像化し、動く藤野と京本に会えたことの喜び。
音楽も付いたことでよりエモーショナルに、表現が>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
テニスの0=ラブで、ラブゲームからテニスと愛情を絡めた表現はいくつか聞いたことがありますが、ここまで直球の男と女のラブゲームが見れるとは。
女を取り合う男たち?魔性の女?ファム・ファタル?
単純な表>>続きを読む
ヨルゴス・ランティモスがグリーナウェイの影響を受けているのは明らかだけれど、特に今作はそれを強く感じました。
アルファベットや数字のかぞえ歌だけでなく、水も彼の作品では重要な要素。
今回観た4作品に>>続きを読む
大きなZOOのネオンサイン前でダルメシアンを引っ張る男の子と女の子。
大音響で鳴る音楽。
このオープニングだけで引き込まれます。
動物の腐敗過程に囚われた双子。異性のシェア。
画面だけでなく、物語自>>続きを読む
一度目の鑑賞ではとてもすべては見つけられなかったけど、画面上に忍び込む1から100の数字。
数字やアルファベットをカウントする子供、という表現は『ZOO』『英国式庭園殺人事件』にも通じる部分があります>>続きを読む
シェイクスピアの『テンペスト』を下敷きにしつつも、完全にグリーナウェイワールドな一本。
宗教画のような画作り、反復される表現。
章仕立てになっているのも、まるで毒々しい絵本を読んでいるような気持ちにさ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
今年観たものだと韓国映画の『ビニールハウス』にも通じるけれど、度を越して救われない映画は寓話性が高くなります。
そしてこういう作品の大事なところは、もう運命は最初から決まってた、もう最初から詰みです、>>続きを読む
助け合う。
人間がこれからも命を繋いで、進歩していくために残されたただひとつの道。
愛らしい物語の中にも常に社会的メッセージを込めていたカウリスマキですが、今作は特に分かりやすく取り上げています。>>続きを読む
カウリスマキの世界にいるジャン=ピエール・レオがなんだか可笑しい。
どんな俳優も、カウリスマキの作品に出ればその世界の人になる。
長く勤めた会社から突然クビを宣告され、退職金がわりにもらったのは壊れ>>続きを読む
実際の事件をもとにした映画ですが、まだ事件に決着がついていない、裁判中の時点で公開されたという驚き。
当時の世評とか、その空気感も知りたくなります。
終わり方がなかなか凄いですが、もとの事件が結局どう>>続きを読む
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原作『異人たちとの夏』は読みました。
タイトル通り、こちらは夏が舞台で、湿度の高い日本の夏の空気感が味わえる作品です。
この物語の心霊的な側面、お盆シーズンということもあり、やはり日本が舞台でこの話を>>続きを読む
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青と赤、田舎と都会、自然と人間。
今作は単に都会vs田舎という対立を描き、都会の人の冷たさや田舎の人の温かみを描いているわけではないでしょう。
どちらかといえばこれを観る多くの観客は、自らの社会生活>>続きを読む
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プロレスは全く詳しくないので特に調べず観に行ったら、こんな話なのかと驚きました。
いろいろあって、もうこれ以上は何も起こるまい、と思ったところでさらに悲劇が。
そしてエンドロールで哀悼をささげる人数が>>続きを読む
エリセの新作『瞳をとじて』で、「ドライヤー亡き今、映画で奇跡を起こすことは不可能だろう」という台詞があった気がします。
ちょうどドライヤーの『奇跡』が映画館で上映されていたので、この機会に観ることがで>>続きを読む
魔女狩りが横行する時代。
それは過去のものですが、時を経た現在であってもそれは変わらない気がします。
「悪」と決めつけられた者、こいつには何を言っても何をしてもいいと決めつけられた者。
真相はさておき>>続きを読む
写真家ナン・ゴールディンについてまったく知らなかったので、彼女の半生と作品を知ることができるだけでも大きい。
オピオイド薬害については前にNHKのドキュメンタリーで見た気がするけれど、まさかここまで>>続きを読む
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イニョン=縁、これはとてもアジア的な物語に思えます。
今作が評価され、アカデミー賞でもノミネートされていることの大きさ。
ニューヨーク観光映画としても面白い。
もちろん物騒な部分とか怖い部分も写され>>続きを読む
リマスター版が劇場上映されていたので初鑑賞。
マーゴ・キダーの魅力に溢れている作品です。
いわゆるシャム双生児を知ったのはテレビ番組だったかブラックジャックだったか。
胎児を模したオープニングクレジ>>続きを読む
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事件自体は本編を一度しか観ていないのもあり、登場人物も多いので結構あやふやな部分もあるものの歴史と絡めた財宝を巡る物語、という点では『迷宮の十字路』も思い出すような内容。
描かれる血の量が結構多いし子>>続きを読む
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キリアン・マーフィーがこの役を演じてくれてよかった。
特に初見は、彼の顔と佇まいで今がどの時代のシーンなのかを察する必要があるところもあった気がします。
名優たちのアンサンブルとして、サスペンスとして>>続きを読む
ミステリーというよりも、宮崎駿作品ならではの冒険活劇としてとにかく楽しい。
とくに乗り物描写など、豊かな映像表現に満ちあふれています。
同日に映画館で『君たちはどう生きるか』の英語吹替版を鑑賞したので>>続きを読む
『哀れなるものたち』のヒット記念か、リバイバル上映してくれたので鑑賞できました。
とある一家にひとりの男が訪れる。それにより幸せだった家庭(だいたい上流階級)が徐々に崩壊していく…という作品は過去に>>続きを読む
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キャッチコピーが気になったし、予告からして「これは悲惨なことになりそうだな…」と思いつつも鑑賞。
えげつないやつは本当にえげつない韓国映画。
今作も、やったことすべてが裏目に出るというか、どんどん坂道>>続きを読む
思春期女子の、気になる男の子や推しへの熱意がこれでもかとリアルに描かれていて、大人になった今見たら可愛いなあと思うけどリアルタイムだと結構悶絶ものかも?
移民の母と娘の関係とか、描いていることが結構>>続きを読む
観たいなと思いつつ先延ばしにしていたら、A24からデジタルリマスター版が公開されるということで、良い機会でした。
『ザ・ホエール』でブレンダン・フレイザーがオスカー俳優になったのも記憶に新しい、ダーレ>>続きを読む
ミヒャエル・ハネケの監督デビュー作。
ただただ、淡々と映される日常描写。
それはラストに訪れる悲劇への少しずつ、でも確かな道のり。
ちょっとアケルマンの『ジャンヌ・ディエルマン』も思い出しました。>>続きを読む