mireiito

マルサの女のmireiitoのレビュー・感想・評価

マルサの女(1987年製作の映画)
-
『マルサの女』
1987年
伊丹十三 監督


第11回日本アカデミー賞(1988年)において最優秀作品賞、主演女優賞(宮本信子)、主演男優賞(山崎努)、助演男優賞(津川雅彦)、監督賞および脚本賞(伊丹十三)を受賞し、主要部門をほぼ独占した。
また、作品の成功を受けてカプコンがファミリーコンピュータ向けにゲーム化、翌年には続編の『マルサの女2』が製作された。
伊丹本人は、本作制作の動機について、『お葬式』などのヒットによる収益を「税金でごっそり持って行かれ、税金や脱税について興味が湧いたため」と語っている。
当初制作側は内容が内容だけに、国税庁の協力は期待していなかったが、実際は「どうせ作るなと言っても作ってしまうだろうから、それなら納税者に誤解を与えない様、正確な内容にして欲しい」と取材に協力的であったという。実際、査察部のガサ入れシーンでは、マルサOBが監修に協力している。
「○○の女」と銘打った作品は、後に4作作られる事になり、またそれとともに主演・宮本信子を、日本を代表する演技派女優へと転進させた点で、今作は伊丹映画の路線を決定付ける記念すべき作品となった。
メイキング本『マルサの女日記』によると、「あざとい演出だから」といった理由で、全編にわたってクローズ・アップ撮影(いわゆる顔面アップ)はほとんどない。
蜷川喜八郎役の芦田伸介は、当初はよりヤクザらしく顔にキズを入れるメイクを施す予定だったが、もともと、交通事故で作った大きいキズがあったため、そのキズを生かしたメイクにした。
宝くじの男のセリフは、ギリヤーク自身の声ではない。何度もギリヤークにセリフを言わせたものの、伊丹はまったく納得がいかず、別人物の声をアテレコで入れている
mireiito

mireiito