「暗闇のささやき」

冒頭、ここは静かな平凡な郊外。心理カウンセラーの女の患者。裸の首吊り死体、サディストの恋人、容疑者の男、精神分析医、性の欲求、目撃、接吻、殺人。今、官能的な心理スリラーが幕を開ける…本作はクリストファー・クロー監督のスリラー映画で、別題"殺しのナイトメア／暗闇のささやき"でも一部の人には認知されているサスペンス映画で、あの大ヒット作「ゆりかごを揺らす手」の主演を演じたアナベラ・シオラが主演を務めている映画で、1992年製作の米国映画である。この度VHSにて初鑑賞したが、まぁこの手のサスペンス映画にしてはつまらなくは無い。A・シオラが主演するサイコ・スリラーと言うべきか、相変わらず追い詰められる芝居が上手い。殺人犯役に若き日のジョン・レグイザモが演じていてびっくりした。

この作品が未公開であり、円盤化されない理由の1つにエロ描写があるからなのか、分からないが一般的な娯楽性はある。わりかし息詰まる心理描写と官能的な世界がサイコスリラーの要素の中にふんだんに散りばめられており、結構充実した作品である。これが円盤化されてないのも少しばかり不思議に感じるやはり…。

さて、物語は心理カウンセラー、アンの患者イヴが、全裸で首をつって死んだ。彼女にはサディストの恋人がいたらしい。アンの新しい恋人ダグもイヴと交際していたと言う。警察が容疑者と見ているのはあのもう1人の患者ジョニーである。だが、アンはダグの前妻が首つり自殺したことを知った。恩師のレオはダグとの交際をやめるようアンに忠告するが…と簡単に説明するとこんな感じで、美しい精神分析医が患者の診療をするうちに、自らの性的な欲求に苦悩し始める姿を性の悩みを訴える患者やいつしかそれに同化していく主人公、彼女に新しい恋人ができた直後から連続殺人の幕は切って落とされると言う構図になっている。

クライマックスの海での一対ーの壮絶な戦いが見所である。

●記録