クリムゾンキング

聖し血の夜のクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

聖し血の夜(1974年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

今をさること20年前の1950年クリスマス。街の名士、バトラー氏は自宅で焼死。遺言で孫のジェフに屋敷は残すとあったので屋敷は曰く付きの物件となり時は経ち、いざジェフに譲られると言った段階で何を思ったか物件を売却することを提案。
街の住人が買いとりぶっ壊そうとする算段の中、ジェフの弁護士と愛人をはじめ街の住人が次々と惨殺されていくぅ!

この原題にしてなんと上手い邦題。
同様のタイトルで「悪魔のサンタクロース」なんてのがある(こっちの方が先)からよくあるスラッシャーかと思いきやこれが雰囲気抜群のオカルト風味たっぷりな、ジャッロに近い作品。

残虐描写はほぼないのだけど、ファーストキルの斧での惨殺などはカットが上手く、血も結構飛び散るのでなかなかインパクト大。

そして家の中を舐めるようなカットだったり犯人視点で動くシーンだったり、カットごとにものすごく不穏な印象を抱かせるスコアが使用されていてどのシーンも「観てるだけで怖い」。
クリスマスというので聖しこの夜が使われているのだけど、短調なのでこれもまた悲しさというかそういうのを掻き立てる。

犯人の動機としては「いや自業自得じゃねーかッ!!」というか「いや無理ありすぎんだろ!?」とはなってしまうんだけど、そのネタバラシシーンの部分もまた不気味な演出がなされていて「怖ッ!」って思ったり、ラストカットまでそう言った粗が全部帳消しになるような雰囲気あるカットのオンパレードなので、結局のところものすごくよくできてるなーとか思ってしまった。