チッコーネ

デス・ルームのチッコーネのレビュー・感想・評価

デス・ルーム(2006年製作の映画)
3.0
Jホラーが人気を博していた2000年代前半のプロジェクトなのか、日米のコラボで日本人プロデューサーが名を連ね、音楽は『リング』の川合憲次が担当。
『グレムリン』や『13日の金曜日』といった、日本でも大ヒットした作品の監督が参加しているものの、インディ作品。

オムニバスだが「全く別の物語の集積」というわけではなく、連続性はあり…、ジョー・ダンテはその接合部分を担当しているだけ、マックス、デズモンドの濫用は彼の案だろうか。
テレビドラマのような画面から低予算は伝わるが、スムースに移行するパート1はカラフルな照明にキッチュな美術で、すぐケン・ラッセルとわかる。
彼が撮る現代劇のどぎつい魅力は失われておらず、笑わせてもらった。
続くショーン・S・カニンガムのパートは日本が舞台でロケも敢行、石橋稜と杉本彩も出てくる。
しかしファーストカットは未だに浮世絵、クライマックスはアニメーションを混ぜ誤魔化した感じだが、こちらもきっちりまとめられてはいた。
続くモンテ・ヘルマンのエピソードで失速、新人監督による4つめのエピソードで少し盛り返すものの、いずれも1、2に比べ見劣りがする。

とは言え「どのパートにも必ず濡れ場を」という決まり事でもあるかのような下世話さ、退屈はしなかった。
無名役者陣に混じって、ジョン・サクソンが登場するのもうれしい。