爆裂BOX

36 PASOSの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

36 PASOS(2006年製作の映画)
3.8
人里離れた一軒家でビキニ姿で楽しく戯れる6人の美女たち。だが、彼女たちは監禁され破ってはならない3つのルールを課せられていた…というストーリー。
アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督が贈るソリッドシュチエーションスリラーです。
誘拐され監禁された6人の美女たちが水着姿で一軒家で「無駄口をたたかない事」「敷地から出ない事」「楽しむこと」という3つのルールを課せられて各自に届けられる指令書の内容をクリアしながら共同生活しながら脱出の道を目指すという内容ですが、冒頭でくだらない下ネタ話しながら夜道を車で走る男二人のシーンなどタランティーノっぽい感じを受けましたね。ここで轢かれる女は唯一逃げ出した子なのかな?
前半は6人の美女がプールで遊んだりダンスしたりと楽しく過ごす(表面上は)姿と割とどうでもいい彼女たちが誘拐されるまでが挟まれながら進んでいきます。3つの掟の1つでも破るとハンマー持った巨漢デブが乱入してきて殴り殺されることになります。最初に殺された子が誘拐されるまでも結構長々とやりましたね。前半ではゴア描写は殆どなく首無しの全裸死体くらいか。巨漢デブは結構早いですが、誘拐されるシーンで追い掛けてる途中で息切れして止まる所はちょっと笑っちゃいました。
6人の美女は本当に美女ばかりで、そんな彼女たちが全編ビキニ姿で過ごしてくれます。監禁されて洗脳されるサイケなシーンでは全裸にも。メンバー皆キャラ立ってますが、中でも従順にルール守って過ごそうとするエミリアちゃんは、後半追加される何も知らないルシアがルール破るたびに代わりに指切断されたり、頭皮ごと髪剥ぎ取ったり、焼きごて口に押し当てられて唇くっつけられたりと一人だけ散々な目に。でもそれでキレてフーフー唸りながらチェーンソーもって他の子追い掛け回すハイパーチェーンソーキチガイと化す姿は素晴らしい。一番ビッチな性格してる子も、ルシアが異変に気付かない様にアドリブで言い訳次々考えてしのいでいく所も良かったな。犯人側で指令書渡してくるいつもニコニコしてる無口な子も可愛い。
後半からは指令書の内容に従って仲間陥れたり、渡された武器を使って殺し合いが始まり俄然盛り上がってきます。チェーンソークイーンと化したエミリアちゃんの活躍も大きかったですね。チェーンソーのシーンは流血は凄いけど直接的なゴア描写は良く見たらなかったかな。後頭部から突き刺された包丁の切っ先が口から飛び出す「墓地裏の家」オマージュシーンもあり。
最後のどんでん返しも面白かったですし、「悪魔のいけにえ」や「誕生日はもう来ない」彷彿させる誕生パーティシーンも良かったです。パチパチ拍手する巨漢デブが可愛かった。良いファミリー映画でした。
エンドロールの後の映像は正直蛇足に感じましたね。
前半はゆるめだけど、後半の展開と最後の誕生パーティまで、マニア向けながらかなり楽しめました。