櫻イミト

ミュンヘンの櫻イミトのレビュー・感想・評価

ミュンヘン(2005年製作の映画)
3.5
イスラエルとパレスチナ間の報復の連鎖を、イスラエルの暗殺チーム目線で描く実話ベースの政治サスペンス。

1972年のミュンヘンオリンピックでイスラエルの選手団が犠牲になるテロ事件が発生。テロを首謀したパレスチナ過激派11人への報復を命じられたイスラエルの5名は世界各国に潜伏するターゲットを次々と暗殺していくが。。。

銃撃戦や爆破シーンがリアルで容赦なく、アクション的な惹きつけ度は高い。やられたらやり返すという報復の連鎖、対立の構図は東映ヤクザ映画を観ているかの様。そのように感じてしまうのは主役であるイスラエル暗殺チームの愛国心が殆ど描かれていないからかもしれない。パレスチナ側の描写には愛国心へのこだわりを感じるシーンがあったが、実際にも両国民のナショナリズムや宗教へのスタンスには差があるのだろうか?

とりあえず、現在戦争状態にない島国日本で暮らしている有難さを感じるとと共に、ぬるま湯のような平和の中で明らかに用心不足でいる現状に強い危機感を感じた。
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