タツベイ

永遠の僕たちのタツベイのレビュー・感想・評価

永遠の僕たち(2011年製作の映画)
4.4
"夕陽が沈むと死ぬ"と
思い込んでいる鳥は
朝になると目覚めた驚きで
美しい声で歌う。
死んでない喜びで。

両親の死を受け入れられずに
死に囚われた毎日を過ごす青年が
偶然出会った余命3ヶ月の少女。
献身的な彼女への愛は、
彼女の「死」と向き合うことで生まれた
「生」に対する彼なりの答え。
死と愛に囲まれた2人の世界を生きる若者の
瑞々しい恋愛の物語。


死生観をテーマにしつつ、哀情は限りなく
削ぎ落とした作品なので、
御涙頂戴のようなシーンは少なめなのが良かった。
ただラストシーンはさすがにグッと来ました。
死を受け入れず、抗い続けたイーノックが
死が迫りつつも強く生きるアニーと出会って成長する
とにかく瑞々しい恋愛映画です。
イーノックにしか見えない特攻隊員のヒロシが
恋人に渡せなかった手紙の文章の美しさよ。
死に直面し、愛のつらさを理解したヒロシが
イーノックの側にいたのは大きかったやろうな。
個人的に英語喋る加瀬亮が好きなんで
それだけでも見てて楽しい映画ではあった。

暖かい空気を感じられる秋の景色を見ながら
ビートルズの「two of us」が
流れるオープニングが、
この映画全体の優しさを表してて
すぐに引き込まれました。
最初から最後までかなり好みの作品。
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