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引き裂かれたカーテンのIdeonのレビュー・感想・評価

引き裂かれたカーテン(1966年製作の映画)
3.5
 物理学者のマイケルは核爆弾を無力化する研究をしていたが、あと一歩のところで完成しない。そこで東ドイツに亡命すると見せかけてカールマルクス大学の権威者の数式を手に入れようとする。ところが、手違いで婚約者のサラが同行することになり、鉄のカーテンからの脱出は困難を極めるものになる…というお話。
 ポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースの豪華共演という珍しいヒッチコック作品。従来ならジェームス・スチュアート、グレース・ケリーの役回りなので、せっかくのポール・ニューマンはアクションシーンがほぼないし、ジュリー・アンドリュースは歌わない。しかし、殺人シーンの生々しさや終盤に向けてサスペンスを盛り上げてくる展開はまさしくヒッチコック作品である。ジョン・アディスンの劇伴は少し上品すぎて凄みに欠ける。バーナード・ハーマンと喧嘩別れしてからは、ヒッチコック作品の重要なピースが欠けてしまったようだ。
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