タイムトラベル　×　未来からの来訪者

科学者が5000年の未来から物質を移動できるタイムマシンを発明した。
しかし送られてきたものは高度に放射能汚染されたものだった。
危険な実験を繰り返すうちについに異形の未来人の女を呼び寄せてしまう。
そして彼女は次々と殺人を犯し始める。
果たして彼女の目的は何なのか？

まだフィルム編集による素朴な特撮が懐かしい。
進み過ぎた科学技術への懸念、未来は放射能に侵された世界という核兵器競争に明け暮れた冷戦時代の潜在的恐怖を反映した未来像。
危険な実験リスクを避ける科学者と好奇心を優先させる科学者の葛藤にミステリー+当時なりのお色気を絡めた人間ドラマを中心に話が進む。

タイムトラベルカテゴリー: 1B (未来→現在)

「怪奇大作戦」が好きな人にオススメ。

• #タイムマシン

西暦5000年の世界は放射能まみれでミュータントがいっぱいいるそうな。
そんなミュータントのお姉さんがモジモジ君みたいなカッコで現代に現れる。
といっても舞台は1950年代なんで全然未来感が無くて大人たちがワチャワチャしてるだけ。
もっと物質を時間移動させる装置とか西暦5000年の世界を掘り下げて欲しかった。
チョイチョイ水着姿を披露してくれる金髪お姉さん、よく見ると美人。

• #なんだこれ

　帰省の新幹線の車中の暇つぶしに、1958年製のAIP製B級SF映画『宇宙5000年目の恐怖』を観ました。

「フロリダの島で秘密研究所を持つ核物理学者ハワード・エーリング教授とアシスタントのビクターは、未来から物理的に移動させる装置の実験に成功する。
送られてきたのは小さな彫像だったが、考古学者ボブ・ヘッジスにより西暦5200年ぐらいのものだとわかる。
彫像から放射線が出ていることを知り、連絡しようとするが・・・」（DVDの作品紹介より）

　1時間強のとてもひどい出来の映画ですが、今でも忘れられずに残っているのでそれなりに評価されているのかもしれません。一応放射能の恐怖がテーマです。

　お話は時間の壁を破って物質を転送する装置の研究者が、未来からの彫像を手に入れるところから始まります。彫像を考古学博物館の学芸員をやっている友人に送りつけていつ作られたか教えろと言ってきますが、学芸員は何度計算しても西暦5000年に作られることになっている像だと断定します（笑）。彫像には大量の放射線が付着していました。

　研究者の助手は研究者の娘に惚れているのですが、学芸員が彫像は危ないぞと持ち帰ってきて三角関係になります。短い映画なのに三人の恋模様が延々と描かれます。一応ラスト近くには未来から来た女型の怪物が登場しますが、美人のマスクを着けて助手を騙して連れ帰ろうとします。しかし、研究者の娘にアンマスクされて「なんて酷い顔なの！」と言われキレて襲いかかり、助手に退治されます。

　AIPは初期からこのレベルで二本立て興行用のフィルムを量産していたのだな、とよくわかりました。暇つぶしには最適でした。一度観れば十分ですが。