爆裂BOX

怨霊の森の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

怨霊の森(2006年製作の映画)
3.6
薄暗い森に囲まれた全寮制の高校に転入したヘザー。厳しい戒律と皆の奇妙な行動、そして夜毎森から聞こえる無気味な声に呼応するように生徒が一人、また一人と消えていく事にヘザーは気づくが…というストーリー。
「MAY メイ」や「ザ・ウーマン 飼育された女」のラッキー・マッキー監督によるオカルトホラーです。
自宅の庭にある木に放火して家を燃やしかけた為に全寮制の高校に放り込まれた主人公ヘザーが、夜毎不気味な声や悪夢を見て、やがて生徒が一人、また一人と消えている事に気づき、恐怖に見舞われていくという内容です。
全寮制の女子寮が舞台で生徒が恐怖に曝される内容や、事件の元凶が教師で正体が魔女という点など「サスペリア」をベースにしているのがダリオ・アルジェント好きを自認するマッキー監督らしいですね。
転入してきた問題児である主人公を異端視して排除しようとするいじめっ子グループや、いじめられっ子同士でちょっと百合っぽい友情を育んでいく所などベタながら学園ドラマな感じで楽しめました。
「ヴェノム 毒蛇男の恐怖」のアグネス・ブルックナーが主人公ヘザー演じてますが、ちょっとゴツい感じですが、一匹狼気質で割と気の強い主人公像にはあってたかな。レイチェル・ニコルズがいじめっ子リーダー演じてて、主人公とキャットファイト繰り広げてくれます。最後実は主人公助けようとしてたみたいだけど。配役は逆の方が良かった気もしますね。
ブルース・キャンベルが主人公の父親役で、登場シーンは多くないですが、後半では黒いゲロ吐いたり魔女の儀式に斧もって殴り込みかけたりする「死霊のはらわた」のアッシュの勇姿を思い出させる活躍見せてくれます。また、校長役をパトリシア・クラークソンが演じていて、登場時から魔女っぽいですね。
後半では木々が触手の様に女子寮に押し寄せて這い回り、ベッドで寝ている女子生徒たちに絡みついたりとこれも「死霊のはらわた」思わせるシーン出てきます。主人公と折り合いの悪かった母親、車横転させられた時に主人公の事心配して必死に呼びかけてたし、主人公も運び込まれた病院で必死で母親の事探してたし、仲悪いようでお互い思い合ってはいたんだなとグッときました。あの病院は結局魔女の息のかかった所だったのかな?ベッドで寝ている患者が「助けてくれ」とか言ってたし。
魔女達が覚醒した主人公に意外とアッサリ倒されていく所も「サスペリア」っぽいですね。
ラストみんな徒歩で帰っている所はちょっと笑ったけど、魔女は倒され学校は燃えても森そのものはいまだ健在と感じさせるオチは不穏さ残してて良かった。
手堅く作られてて楽しめたオカルトホラーでした。