爆裂BOX

ex エックスの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ex エックス(2011年製作の映画)
3.2
ジェンテック社の新薬臨床実験に参加した4人の男女。麻酔から目覚めるとあらゆる外傷が消えていた。やがて恐ろしい副作用が…というストーリー。
南アフリカ産の亜ゾンビ映画です。監督は「JIGSAW ソリッド・ゲーム」や「ゲームオーバー」のアラスター・オア。
武装した兵士たちによって強制的に施設の一室に監禁される4人。外傷が消えている事に戸惑いながら脱出しようとするも、彼らに投与された新薬は外傷や病気を治しますが、副作用として体が腐り始め凶暴化するというもので、次第に身体に異変が出始める者が現れ、更に前回の治験で変化した被験者も生き残って施設を徘徊しており、彼らに襲い掛かってくる、という内容です。
ストーリーは徐々に新薬の副作用が出始める4人とゾンビの彷徨う施設内を前被験者の生き残りの女性を救出するため飛び込んだ武装隊員の姿を並行して描いていきます。
予告や粗筋ではアクションホラーをうたっていますが、実際は前半は訳も分からず施設に閉じ込められ、傷やタトゥーが消えたり身体に異変が起き初めた4人の自分達の中にスパイが紛れているのではと疑心暗鬼になったりする、心理戦などがメインのシュチエーション・スリラーっぽい作りです。
後半は両者と逃げ延びていた生き残りの女性が合流し施設からの脱出を目指しますが、ハッキリとした主要人物がいないせいで誰にも感情移入できません。生き残りの女性が主人公かと思ったらあんまり活躍しないし。彼女の救出に来た武装隊員リースがメインっぽく描かれたり、前半では影薄かった今回の被験者のジョシュとサマンサの脱出劇も同じ分量で描かれたりとどちらかが主人公という感じの描き方でもなかったですね。れらのキャラもそこまで掘り下げられないのも感情移入し辛い一因かも。最初から言動荒々しくて、暴走してリース達を拷問するハンターがハッキリ嫌な奴しててキャラとしては一番わかりやすかったかも。
謎の核心に迫るのも結構後半のほうなのでそれまでを冗長に感じられる方もいるかも知れません。ゾンビと遭遇するのも後半のほうなので(それまでにスタッフがゾンビに襲われるシーンもちょくちょく挟まれますが)
ゾンビのメイクは真っ黒で、牙が生えているところは「デモンズ」を彷彿させます。歯が抜けていく所もそれっぽいです。どんな攻撃受けても死なない不死身の身体のようですが、登場人物が基本逃げ回ってて戦うシーンが少ないのでイマイチ不死身っぷりがわかり辛い。
黒幕側も被験者施設に入れるときは複数の兵士派遣してたのに、監視カメラの修理や生存してる前被験者の救出に一人や二人の隊員しか派遣しないのもおかしいですね。特に後者は重要任務だからもっと隊員派遣しろよ。隊員が感染してもどんな感染者になるか観察しようとする冷徹さはいい感じでした。
後半は二組に分かれて施設からの脱出を目指して、サバイバルアクション要素も出てきます。そんなに多くはないですが。
ラストの展開は楽しめました。予想はできますが、あの謎が明かされるところは楽しめました。まあ、被験者に直接採取させるか?とは思いますが。ただ、無駄にこねくり回して分かり辛いと感じる人もいそう。ラストの後はあの研究所も…
まあまあ楽しめましたが、同時期にリリースされて内容も似通った「TEST10 テスト10」のほうが楽しめたかな。