一人旅

デビッド・クローネンバーグのシーバースの一人旅のレビュー・感想・評価

4.0
デヴィッド・クローネンバーグ監督作。
  
寄生虫が高級マンションの住人を次々と襲うパニックホラーで、エロとグロが絶妙にマッチングされている。 
粘液まみれの寄生虫の姿形はツチノコのようでもあり、男性器のようでもある。こんなヤツが体の中にどこからともなく侵入し、皮膚の下でモゾモゾ動くのだ。その気持ち悪さは一流で、虫唾が走る。  
気持ちが悪くなるのは寄生虫の存在によるものだけではない。寄生虫に寄生された人間の悶絶度合いも演技とは思えないほど真に迫る勢いだ。寄生された夫はベッドに横たわり、視線は上の空。あまりの苦しさに声も出せないままに口から血をタラタラ流す。そんな夫の悲惨な姿を見て静かに泣き出す妻。この救いようのない絶望感・・・恐ろしい・・・。
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