チッコーネ

ターヘル・アナトミア/悪魔の解体新書のチッコーネのレビュー・感想・評価

3.5
冒頭からジャニーヌ・レイノーの雌演技が過剰で、ワクワクする。
顔立ちがいわゆる美人女優よりキツめだからか、アへ演技もユニークに観えてくる、稀有な存在感。

パーティ場面から古城まで、舞台美術は一貫しておしゃれ。
特にジャニーヌの濡れ場と、それを見下ろす困惑顔宗教彫刻のカットバックがシニカルな笑いを誘う。

また幻想ホラーと対をなすもう一本の柱にマッドサイエンスを配しているところは、ポール・モリセイの『悪魔のはらわた』に近い雰囲気(こちらの方が5年早い)。
執拗にカットインされるゴア的な手術映像、動物を使ってリアルに撮影しているように観える…。

作中にギャングバング場面があるのだが、実在のレイプから陰惨さを取り除いたかのようなソフトさが、私のセクシュアルファンタジーに近く、既視感を覚えた(笑)。
意外と子供の頃に、このテのユーロトラッシュを12チャンネルあたりで何回か観ているのかもしれない…。