カタパルトスープレックス

女王陛下の戦士のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

女王陛下の戦士(1977年製作の映画)
4.2
ポール・バーホーベン監督による一筋縄ではいかない戦争映画で、青春群像劇です。ルトガー・ハウアーが若い!

舞台は第二次世界大戦のヨーロッパ。オランダの街であるライデンでの大学の新入生歓迎会。エリック(ルトガー・ハウアー)を含む新入生たちは先輩の試練を受けます。ちょっとやりすぎの試練を通じて育まれる友情。しかし、戦争は仲間たちを別々の道を歩ませます。ナチスドイツ占領下のオランダ。イギリスに亡命するオランダ女王。果たして、オランダの運命は。そして、エリックたちの運命は?という話です。

『スターシップ・トゥルーパーズ』もそうですが、ポール・バーホーベン監督の戦争の描き方ってすごくユニークですよね。乾いた残虐性と言いますか。戦争はこんなに辛いんだぞ!ってウェットにアピールしない。ナチス占領下のオランダもそれほど大変そうじゃないんですよ。大学でテニスとかやってるし。それでいて、爆撃で片足を失うオランダ兵がいたり。ギロチンで首を切られる人がいたり。そして、ドイツ落下傘部隊がオランダの酪農農家から牛乳買ってたり(チップまでくれたり)。描く視点が完全におかしいんだけど、戦争ってひょっとしたらそんなもんなのかも……という妙な納得感もあったりします。

二時間半ですから、長い映画の部類に入ります。でも、あまり長く感じない。すごくテンポがいい。そして、ポール・バーホーベン監督なのでオッパイがイッパイ出てきます。あ、韻を踏んじゃった。ポール・バーホーベン監督が描くオッパイって全然いやらしくないんですよ。すごくドライ。

ポール・バーホーベン監督はこの映画で何を描きたかったのか?全くわかりません😂。わからないんだけど、面白いからいいや!