浅野公喜

アビィの浅野公喜のレビュー・感想・評価

アビィ(1974年製作の映画)
3.5
アフリカの悪霊が黒人女性に憑依する70年代に隆盛を極めたブラックムービーとオカルトホラー二つを融合させた作品。監督は「ジョーズ」の亜流的動物パニック物「グリズリー」、または「マニトゥ」で知られる事故で早逝したウィリアム・ガードラー監督で今作も「エクソシスト」に影響を受けて作られたそうで本家からクレームが来たとか(笑)。

とは言っても緑の液体を吐いたり首が一回転したり階段を変な姿勢で降りるわけでもなく、特に特殊メイクが施されてない女性が時に顔芸を披露しながら(吹き替えで)野太いおっさんの声で喋ったりする位。ただ勢いだけは無駄に有り、中盤の家と終盤のディスコでの除霊はやたらきめ細かいカット割りとサブリミナル効果を狙った映像の如く悪魔の姿を一瞬写したり火花散り強風が吹き荒れ地震が起き炎上、そしてミラーボールが爆発と、とにかくド派手で圧倒。ファンキーなBGMは恐怖は煽らないものの良い雰囲気出してました。

メインキャストの憑依されるアビィ役のキャロル・スピード、オースティン・ストーカーはそれぞれ今年1月と10月に亡くなっています。ガードラー監督作ではパム・グリア主演の「Sheba,Baby」が観たい所。
浅野公喜

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